――某日・日曜日:シーサイドタウン アウトレットモール
「きゃぁ!」
両手に抱えきれない程の大量の買い物袋を持って歩いていた
島岡 雪乃――寝子高1年学年主任の彼女は、ついぼーっとしていて前方に立っていた何かに激突し、その買い物袋の中身を辺り中にぶちまけた。
それらは食料品や衣料を含めたひと月分の生活用品。真面目そうに見える彼女もまだこの春から始まったばかりの新生活に慣れず、ついつい用事を溜めこんでいたのだ。
「ああっ、ごめんなさい、ごめんなさい……」
あわあわと狼狽しながら転がるリンゴを拾いあげ、とにかくぶつかった『誰か』に平謝りする雪乃。
だが、その相手は微動だにせず黙ったまま――
ものすごく怒っているのかと青い顔をしながら雪乃が顔を上げると、そこに立っていたのは広場の真ん中に立つ時計の支柱だった。
「あ……時計?」
何事かと注目する周囲の視線に青かった顔が、今度は即座に沸騰しそうな勢いで真っ赤に変わった。
とにかくここを離れなければ。雪乃は大急ぎで散らばった荷物をかき集めると足早にその場を逃げ出した。
「……!? この音は……!」
モール内を速足で抜けようとした雪乃の耳に『その音』が聞こえてきたのは運命のいたずらか。
身体を振わせる雷鳴のようなエキゾーストノート。甲高く響くスリップ音と重低音のビートが咆哮を上げ、雪乃の魂を奥底から揺さぶった――
彼女の心の奥で封印されていたナニカが目覚めるのが分かった。
視線をやった先にあったのは、一軒のゲームセンター。
入口付近には華やかなプリントシールやぬいぐるみキャッチャーの機械が並んでいる。
だが、彼女の心を惹きつけたのはそんなものではなかった。
入口に貼ってある赤いスポーツカーのポスター。どうやらレースゲームのものらしい。そして大きく書かれた『新作入荷しました』の文字。
もはや考える暇など無かった。意識するよりも早く雪乃の姿はその場から消え、あっという間にそのゲームセンターの中へと吸い込まれていったのであった。
どうも柊いたるです。
今回は比較的自由度の高い、『何をしてもいいのよ』シナリオです。
あまり細かい事は気にしないので、休日を楽しく過ごして下さい。
(ただし自由度が高いとはいえ、犯罪や破壊的行動は推奨しません)
・場所/時間
寝子島シーサイドタウン、アウトレットモールのゲームセンター及びその付近。
とある日曜日の日中
・NPC
島岡雪乃(寝子高教諭)
ゲームセンター店員・一般客(必要に応じて登場)
参加者の皆さんはたまたまその場に居合わせたものとします。
理由は各個人で適当に決めて下さい。
ゲームセンターにはガイドにあるプリントシール機やぬいぐるみキャッチャーを始め、レーシングゲームやその他の対戦ゲームや一人用のゲームなど、一般的なゲームセンターにある様なゲームや施設は大抵あります。
好きな物で遊んで楽しんでいただければ幸いです。
(申し訳ありませんが、現実に存在するゲームタイトル名は描写しません。似たようなものとして、アレンジしたりぼかしたりしますのでご了承ください)
島岡先生は放っておいても一人でナニカしています。構っても構わなくても構いません。
(構った場合は予想外の反応が返る可能性もありますのでご注意を)
多少の確定アクション等は構いませんが、場所や時間を大きく変えたり、ガイドを大きく逸脱するアクションは採用できなかったり、大きくアドリブ処理される場合があります。
一緒に行動したい人がいる場合はお互いのアクションで【】内にGA名を書き込むか、『お互いに○○さんと行動する』のように分かりやすく書いておいた方が、はぐれて残念な思いをするリスクが下がります。