『美鳥野 地球子(みどりの てらこ)は魔法少女である』
「え?」
突然、頭の中に響いた渋い男性のナレーションに
常盤 四月は目を白黒させる。
『ある日、中学二年生の地球子は、美貌の留学生にして異星のロイヤルプリンスであるラバダット三世と運命の出会いを果たし、運命の恋に落ちた』
「え? え? え?」
四月はますます困惑の表情を強めていく。というのも、そのナレーションは彼女が小学五年生の頃に少女漫画誌に投稿した(実質的)デビュー作品にして、封印したい黒歴史でもある『とラブるは突然に☆』のあらすじをそのままパクったかのような内容だったからである。
『しかし、そんなの地球子の前に現れたのはラバダットの命を狙う凶悪なエイリアン達。ラバダットとのキスで魔法少女マジカル☆テラ子として覚醒した地球子はラバダットと地球を守るためにエイリアン達との激しい戦いに明け暮れる日々を送ることになる』
「も、もしかしてこれってまた神魂の――」
そう。これもきっと神魂の仕業に相違ない。
しかし、気づいたところで、もはや四月にはどうすることもできない。
『そして、地球子は今日も愛するラバダットと緑の地球を守るために魔法少女マジカル☆テラ子に変身する』
さらに悪いことにそのときの四月の格好は何故かそのマジカル☆テラ子のコスプレ状態そのものになっていた。
「……なんで!?」
四月はもう泣きそうだ。
『そんなこんなで、今、銀河の運命を決定する最後の戦いが始まる』
「そんなこんなで!?」
四月は叫んだ。
それはあまりにも切実で、あまりにももっともな、
常盤 四月の心の叫びだった。
『――君は生き延びることができるか?』
「ふぇえぇえええええええええええええええええええっ!?」
かくして、マジカル☆テラ子の(最初で)最後の戦いが幕を開ける。
ごきげんよう。水月 鏡花です。
今回のガイドには常盤四月さんにご登場頂きました。
この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。
もしご参加頂ける場合はガイド本文にはとらわれずに自由な発想でアクションを投稿して頂ければと思います。
もちろんそのままマジカル☆テラ子として大活躍してもらっても一向に構いません。
さて、そんなわけで、今回はイラストレーターのKANOさんの個人企画と常盤四月さんの作品の設定を題材に、
銀河の命運を賭けた無駄に壮大なスペースハートフルボッコラブコメディをお届けしたいと思います。
状況
あなたは神魂の影響で、『とラブるは突然に☆』の世界に入り込んでしまいました。
物語の舞台は、日本のどこかにある地球子達が暮らす寝子島にそっくりな島。
そこにラバダットの命を狙う凶悪エイリアン達と彼らの首領ニャース・ベーダーがやってきます。
あなたにはこの世界の登場人物の一人として、魔法少女となり、
この銀河の運命を決める戦いに立ち向かって頂きたいと思います。
あなたはあなた自身がマジカル☆テラ子になっても構いませんし、
またほかのオリジナルの魔法少女になっても構いません。
場合によってはマジカル☆テラ子が大量発生することになりそうですが、神魂の仕業なのだから仕方ありません。
なお、今回の戦いの影響で、もしあなたがうっかりエイリアンに食べられてしまったり、
あるいはうっかり全てがブラックホールに呑み込まれるようなことがあっても、
現実世界でのPCや世界に何か悪い影響が及ぶということはありません
(頭痛や肩こり、その他不愉快な風邪の諸症状ぐらいは残るかもしれませんが)。
舞台
地球子の暮らす街は現実の寝子島がモチーフとなっています。
シーサイドタウンから旧市街に至るまで現実の寝子島とほとんど同じ街がシナリオの舞台だと思って頂いて
構いません。
エイリアン達は市街地や住宅街など人の多いところに出現します。
エイリアンと積極的に戦うのであれば市街地へ。
エイリアンのいないところへ逃れようとするなら山や港の方へ行くのがいいかもしれません。
各PCのスタート地点は、地球子の暮らす街の中(山や港なども含む)であればどこでも構いません。
ご自分の設定にあわせて、お好きなところからアクションをかけてください。
なお、エイリアンが侵略を開始したのは午前の授業中で、
そのときラバダットはテラ子と同じ教室で授業をうけています。
テラ子がたくさんいた場合は最初っからカオスなことになりそうですが、
そこはどうかうまくお互いを尊重しあってラバダットを助けてあげてください。
なお、ラバダットは「テラ子(複数形)はみんな僕の嫁」などと供述しており、
自分がテラ子と主張する女の子のことは(何人いても)無条件に本物と信じるようです。
アクション
アクションについては主に以下の(1)、(2)、(3)の内容を中心に書いて頂ければと思います。
(1)現実世界での記憶の有無
(あくまでも作品内の登場人物になりきっているのか、
それとも神魂の影響で元の世界から連れて来られたという自覚があるのか)
(2)『とラブるは突然に☆』の世界における自分の設定
・『魔法少女になった原因・理由』、『変身の呪文』や『キメ技』など
・『キャラの立ち位置(テラ子の友達であるとか、ラバダットのメイドであるとか、
通りすがりのおじさんであるとか、テラ子本人であるとか)』など
*魔法少女に変身した際の容姿・変身の呪文・キメ技などは自由に設定できますが、
普段の姿はあくまで現実の寝子島での姿のままです。
男性やクールな性格のPCは覚悟の上でご参加下さい。
なお設定上、高校生なのに中学生になっているぐらいでは違和感は仕事をしない仕様です。
ナイスミドルのおじさまが中学生になる場合はその限りではありません。
でも、やってやれないことはないはずです。むしろ誰かやってください。
*あまりに極端な能力や設定の場合はこちらで適宜調整させて頂く可能性があります。
*ろっこんは使用可ですが、全て魔法という扱いになります(効果・発動条件は現実世界に準拠)。
(3)行動指針
(例1)防衛役の魔法少女としてラバダットのそばで彼を護衛する
(例2)攻撃役の魔法少女として凶悪エイリアンたちをちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返し、
地球を守るために戦う。
(例3)銀河の命運とかそっちのけで銀髪美少年のラバダットをぺろぺろする
NPC
・ラバダット三世
銀髪でオッドアイの、異星からやってきたロイヤルプリンス。
異星人なので実際の年齢はわからないが、見た目は地球子(の設定)と同じ中学二年生(14歳)ぐらい。
無駄にイケメンだが、戦闘能力は皆無の模様。
彼がエイリアン達に狙われる理由は不明。
なお、彼が死んでしまうとその段階で物語が終わってしまうために、
神魂の現象も終了してしまう〔バッドEND〕。←PL情報
エネミー
・オクトパス
一昔前の火星人っぽい外見をした軟体エイリアン。
自在に伸びる八本の足を鞭のように使って攻撃してくる。
また衣服のみを溶かす白濁した液体を口から発射することも可能。
知能も、戦闘能力もそれほど高くはない。
・タイタン
緑色の肌をした厳つい巨人エイリアン。身長は優に2mを超え、体重は200kg近くあるものも。
突起のついた金棒を振りまわして攻撃してくるために攻撃力は目を見張るものがあるが、
知能はオクトパスよりもさらに低い。
・ニャース・ベーダー
全身を硬い甲冑で覆い、光の剣と念動力を使う。
近くに寄れば剣で、遠くにいれば念動力で攻撃してくるために攻撃範囲に死角がない。
ただし、光の剣と念動力を同時に使うことはできず、
念動力は二つ以上の物体を同時に操ることはできない。←PL情報
銀河のボス級なので彼を倒せば、残りのエイリアンも撤退すると思われる。
ただし、前述の通りかなりの強敵であり、
ある程度の数の凶悪エイリアン達を倒さないと前線には出てこない可能性が高い。
また宇宙は広いので、いかなる魔法(ろっこんを含む)をもってしても
彼の根城を突き止めてこちらから奇襲を仕掛けることは不可能と考えられる。
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説明は以上です。
企画モノならではのハチャメチャな世界観をお楽しみ頂ければと思います。
なお、上記のNPC以外は登場する予定はありません。
あらかじめご了承ください。
それでは最終決戦の始まりです。