「うっ……」
青木 慎之介が目を覚ました。
「あ、寝ちゃったのか……?」
どうやら授業中に机に突っ伏して眠ってしまったのだろう。
よだれを拭きながら顔を起こすと、そこがまだ夢の中であることに気づいた。
慎之介が突っ伏していた机は机ではなく、長い長いテーブルだった。
白いテーブルクロスの上にあるのは教科書ではなく、フードカバーをかけられた食事のようだ。
全体的に、上等な雰囲気が漂っている。きっと高級料理が入っているのだろう。
横を見ると、一列にたくさんの人が並んでいる。中学生だけでなく、小学生や大人もいる。
彼らもまたフードカバーに気づいて、舌なめずりしている。
テーブルの他には何もない謎の空間だが、ぼんやりと暗闇の中から誰かが見えてきた。
弁天様が、奥からスーッと近づいてきた。
美しいけど、どこかおかしい。
やはり夢の中なのだろう。
「夢の晩餐。全部食べて、夢から醒めるといいだろう」
慎之介は、思わずガッツポーズ。
「ラッキー。こんな美味しそうな食事にありつけるなんて、ドリームカムトュルー!」
そしてフードカバーをパカッと持ち上げ……固まった。
慎之介の大嫌いな納豆がてんこ盛りだ。
「やっぱオレ、食べなくていいや」
「夢の晩餐。全部食べて、夢から醒めるといいだろう」
「……もしかして、食べないと夢から出られないとか?」
弁天様は琵琶をべーんと弾いて、頷いた。
「ははは。せめてごはんがあれば食べれるんだけどなあ~」
スッとほかほかのごはんが現れました。
「アンビリーバボー……ごはんがあっても無理に決まってるし……」
横を見ると、みんなそれぞれの嫌いなものを出されて同じような反応をしているようです。
弁天様はもう一度言いました。
「夢の晩餐。全部食べて、夢から醒めるといいだろう」
かわいいPCは辛い目に遭わせよ、とはよく言ったものです。
嫌いな食べものの設定を、今こそ生かして楽しみましょう。
◆できること
・嫌いなものを食べる(苦労しながら食べる様子を描かせてもらいます)
・嫌いなものにまつわる過去を思い出す(そのときの様子を描かせてもらいます)
◆夢の晩餐
夢の中で、自分の嫌いな食べものが出ます。
特に嫌いなもの1つでもいいですし、あれもこれもでもいいです。イヤな思い出の料理でもいいです。
アクションに嫌いなもの、嫌いな理由を必ず書いてください。
それを食べるために必要なもの(納豆ならごはんとか)も望むと出てきます。
箸やスプーンも、飲み物も出てきます。
友だち同士でワイワイ騒ぎながら食べてもいいですし、
1人で悶絶しながら挑戦してもいいです。
◆嫌いなものの思い出
嫌いになったときのエピソード、嫌いな食べものにまつわる思い出などを描きます。
舞台はどこでもいいですが、シナリオに参加していないPCは登場させられません。ご注意を。
思い出のシーンをメインで描写したあとで、嫌いな食べものは食べてもらいます。
お間違いのないように。
なお「嫌いなものをあたかも嫌いでないように食べること」に成功すると、弁天様から褒めてもらえるかもです。
それではドMプレイヤーの皆さん、カモン!