シナリオ「SECRET MISSION」

SECRET MISSION

　ガガガガガガガガン！

　耳を弄する爆音が周囲一帯の空気を引き裂いた。
　辺りは舞い上がった土煙と硝煙に包まれる――

<< こちらCat-1。敵のサンマゲージはあと少しだよ！ Cat-2も援護して！　>>

<< こちらCat-2。了解。今から直接支援攻撃を行うよ！　 >>

　短く事務的な通信が飛び交う。
　同時に岩影からフル装備の重量級ロボットが飛び出し、両肩に背負った機関砲とバズーカを嵐のように連射。砲弾が雨あられと降り注ぎ、巨大な球体型水槽を守っていたガードロボットたちをあっという間に粉砕する。

　そう、ここはゲーム内に作られた仮想空間。

　これは現在若者の間で流行しているゲームメーカーSOCA（ソカ）の作ったゲーム、BORNYA BRAKE（ボーニャーブレーキ）の中の世界なのだ。

　BORNYA BRAKE――『ボニャ』や『ボニャブレ』とも略されるそのゲームは、プレイヤーが自身でデザインした武装ロボットを操縦し、ネットワークを通じて10対10のチーム戦を行う。途中でやられても試合中なら何回でも復活可能。敵を倒すか敵の本拠地にある巨大球状水槽を攻撃して『サンマゲージ』を０にするか、タイムアップ時に残り『サンマゲージ』が多い方が勝利というルールだ。

<< もらったぁ！　落ちろー！ >>

　ガードロボットの陣形が崩れた隙をついて、鮮やかなブルーの機体が手にしたブレードを振りかざし、稲妻のように切り込み、巨大水槽を真っ二つに破壊した。

―― GAME OVER ――

WIN

※ TEAM MASATO ※

　勝ったのは千鳥雅人と戌井創たちのチームだ。
　ようやく緊迫した戦場の空気から解き放たれ、胸をなで下ろす。

「ふぅ、疲れたぁ……まずは、ジュースでも飲もっと……」

　大きく息を吐きながら、コックピット型筐体のドアに手をかける雅人だったが、どうした事かそれはぴったりと閉じたまま開こうとしない。

「あれっ？　おかしいな？」

　何度もドアノブをガチャガチャとするが、非情にもそれは全く開く気配を見せない。
　目を上げてみれば、隣の筐体の創も同じように外へ出る事ができずにパニックに陥っていた。
　そのうちゲームセンターの店員が気付いて助けてくれるに違いない。そう考え始めた時――

―― SECRET MISSION ――

GET READY

　ゲーム画面にメッセージが明滅し、合成音声が鳴り響く。

<< 特別任務発令。エリア内ニ潜ム敵ボス、ナイトレーベンヲ撃破セヨ。敵前逃亡ハ、死アルノミ >>

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

柊いたる

マスターコメント

　メカバトルです。
　面倒な要素も幾つかありますが、楽しんでいただければ幸いです。

■概要
　参加者はゲームセンターでゲームをしているうちに何故か筐体から降りられなくなりました。
　どうやら神魂の暴走らしく、ゲームをクリアしないと筐体から降りられない様です。
　頑張って勝利をつかみ取りましょう。

　まずはロボット本体を以下の3つから選びます。

・ライトフレーム　軽量で高速な動作を得意とする。耐久・防御には劣る。
・ヘビーフレーム　強固堅牢なタイプ。ただし速度には劣る。
・ミドルフレーム　上二種の中間的な性能のタイプ。

　次に腕に装備する武装を２つまで選びます。

・レーザーブレード　目の前にいる敵を切る剣。防御にも使えます。
・パイルバンカー　目の前の敵に杭を打ち込みます。ブレードより強力です。
・マシンガン　機関銃で弾をばらまきます。初心者にお勧め。
・バズーカー　高威力の弾丸を発射しますが、弾の数が少ないです。
・ガトリングガン　強力な機関銃です。ただし非常に重いです。
・スナイパーライフル　狙撃銃です。非常に遠くの敵を狙い撃てます。
・シールド　盾です。敵の攻撃をある程度防いでくれますが、使い過ぎると壊れます。

　次に背中に装備する武装を１つまで選びます。

・誘導ミサイル　自動的に敵を追いかけるミサイルを複数発射します。
・高性能レーダー　遠くの敵や見えない敵を発見しやすくなります。
・加速ブースター　エネルギーを消費している間、移動速度が増します。
・増加装甲　防御・耐久を上昇させますが、非常に重いです。
・バリア　エネルギーを消費している間、防御力を上昇させます。
・ステルス　エネルギーを消費している間、敵に発見されにくくなります。
・レールガン　超強力な砲撃を行いますが、一時的に自分が動けなくなります。

　全く武器を装備しない場合は、パンチで戦う事が出来ますが威力や射程はほとんどありません。
　また装備が少ない程、移動や行動の速度は上がる傾向にあります。

　戦場は夜の森林地帯。木々が生い茂り、見通しは良くありません。
　人工の建物や設備はありません。　
　敵は自動操縦のガードロボットが10体、ボスのナイトレーベンが1体です。
　ガードロボットはあまり賢くありませんが、常に数体で襲いかかって来ます。
　ナイトレーベンは参加者のものとよく似た人型の黒いロボットです。
　長距離攻撃を得意とし、非常に慎重でなかなか姿を現しません。
　
■注意
　アクションには必ず【】で本体・装備を書いてください。
　わかるようにであれば、省略して書いてもOKです。（例：【ライト・マシンガン・シールド・装甲】）
　書いてなかった場合には、マスターがランダムに内容を決めます。

サンプルアクション（1）

サンプルアクション（2）