てくてくてく、とも、ぽむぽむぽむ、とも言えるような足取りで、
黒鯨 やみぴ君は街中を歩いておりました。
夏だというのに、真っ黒長袖のお洋服に身を包んで――見ている方が暑さに気をやられてしまいそうなくらいです。
けれど真っ白な髪は――たしかに暑そうではありますが――夏の日差しをはね返してとても綺麗に輝いています。
当のやみぴ君はというと、おや、ずいぶんと眠そうにしていました。
長い袖で目をこすりこすり歩いている彼は、やはりてくてくぽむぽむ、足取りは確かなような不確かなようなあやしげなもので、いつか転けてしまうのではないかと心配になるほどです。
「……暑すぎるなぁ~ん」
だったら、その上着を脱いでしまえばいいのに。そう思うのですが、やみぴ君は服を脱ぐことはありませんでした。
「アイスでも食べるかや?」
みやぴ君はちょこんと小首を傾げました。
そして近場のコンビニでアイスを買って、パッケージを開けて、ちょっと邪魔だからとジッパーをさげたとき、あれと気がつきました。
「壊れたのかな?」
またまたみやぴ君はちょこんと小首を傾げます。
けれど違うんですよ。ジッパーが動かないのはきっと――きっと、意思を持ったからです。
お気に入りのお洋服が、その意思でくっついてしまったんです。
だって、お洋服も君のことが大好きなんですから。
ある夏の一日のことでした。
こんなふうに、『お気に入り』が主人にぺったりくっつくという小さな事件が、寝子島中で起こったのです。
ガイドに登場してくださいました黒鯨 やみぴ様ありがとうございました。
ガイド上では、上着がくっついてしまった、と取れるような描写をしておりますが、リアクション上で『他のものが・他の場所に』くっついてしまったということにも出来ますので、ご参加される場合は安心して下さい。
もしご参加いただけなかった場合は、朝日を浴びて、無事助かったものとお考えいただければ幸いです。
*概要*
『お気に入り』が意思を持って、あなたにくっついてしまいました。
どうにかして剥がさないと、生活に支障をきたしてしまいます。
※今回は普段の文体と違って、ガイド本文のような文体で執筆させていただきます。
●PL情報
放っておいても、次の日以降に朝日を浴びると効果は消えます。
朝日は、日の出からだいたい九時くらいまでの日の光で普通にしていれば浴びると思います。それから翌日の天気は晴れですので、安心して下さい。
また朝日に関する情報は各『お気に入り』から得ることはできますが、どうすれば教えてもらえるかは性格等に左右されます。
お気に入りについて
もともと話せないもの、動けないものであればなんでも構いません。
ペンでも、絵でも、携帯電話でも植物でも。
電池でしゃべる人形なども可能です。
どこにくっつくの?
口と鼻の両方を塞がない(気道の確保できる)どこかです。
目を塞ぐことはあります。
希望がなければ、頬、肩、胸、腕、腹、背中、お尻、脚の中から適当なものを選ばせていただきます。
意思を持つとは具体的に言うと?
・個体差がありますが、以下のようなことが起こりえます。
・動きます。
・喋ります。(喋らないという設定も可能です)
・性格があります。(嫉妬深い・甘えん坊・泣き虫・チャラい等)
*登場NPC*
◯新島 ちよ
寝子島市立総合病院に入院中の女の子。
現在、難病を患っており、その手術に向けての体力づくりに励んでいるところ。
【ちよの手とクマの手がくっついてしまった】
といっても、病室で寝ているので、それほど困ることも……ご飯が食べにくなぁとかちょっと暑いから冷房の温度下げようかなぁとかその程度です。
※クマとは
ちよのろっこんによって意思を持って動いている120cmほどの大きさのぬいぐるみ。
そこそこ綿の重みはあります。
今回の影響を受けても、クマは喋れないようです。
勉強したため、ひらがなによる筆談は可能です。
詳しく気になる方はマスターページの未登録NPC欄とサンプルアクション3を御覧ください。
※それ以外のNPCは名前を出すことは出来ますが、登場は致しません。
※このNPCと無理に絡む必要はありません。
※誰も絡まない場合、このNPCが本文中に登場しない可能性があります。それでも特に問題はありません。