「寝子高生の諸君ッ! 我々は寝子島高校・
測量部であるッ!
……フム、そんな部活は聞いたこともないだと? さもあらん。
だが我々を知らずとも、我が
測量部の活動の成果は、諸君たちも日々、目にしているはずだ。
そう、この
寝子島の地図……
これは我ら寝子高測量部が、日々の過酷な測量活動により完成させたものだからな。
フフフどうだ、驚いたかね?
しかし賢明な諸君であれば、この地図に、
いまだ書き込まれぬ空白の地帯があることに、すでにお気付きだろうと思う。
それこそは、
神の棲みたもう気高き聖山!
あの九夜山にも負けず劣らぬ、
険しくも美しき峰々の連なり!
この寝子島高校のキャンパスに集いし、
白きアルプスの未踏峰たち!
そう、つまりそれは──
おっぱい!(ヤッホー) おっぱい!(ヤッホー)
おっぱい!(ヤッホー) おっぱい!(ヤッホー)
今年も期待の新入生が入学し、
粒ぞろいの未踏峰が揃ったと聞いている。
そこで我々測量部は、この人類未踏の地に果敢に挑まんとする
新入部員を、ここに募集するッ!
我こそはと思う
一級測量士たちは、今スグ
体育館に集え!
必要なのは失敗を恐れぬ信念と勇気、あとは
メジャーのみ!
この困難かつ重要な
山岳測量プロジェクトに挑戦し、
明日の
寝子島の地図を完成させるのは、そう、君なのだッ!!」
◆ ◆ ◆ ◆
「……まったく、あきれて物も言えないわね。こんな変装で、バレないとでも思ったのかしら」
読み上げた
部員勧誘ビラをびりびりと破り捨て、
北風 貴子が白衣の闖入者たちを見下ろした。
「まさか鷲尾先生に化けて
私たちのバストを測ろうとする、こんな破廉恥な輩がいようだなんて」
バレーネットでパイプ椅子ごとぐるぐる巻きにされた連中が、自分たちを囲む
女子の体操服姿を見上げては口々に、
「
これだけの名だたる未踏峰を目前にしながら、なんたる無念……ッ」
「さすがに
人跡未踏の処女地。こんな軽装備では、おいそれとは近づけなかったわい……」
「我ら先遣隊、測量に失敗、せ……り……(がっくり)」
さてここは寝子島高校の
体育館、今日はご存知、春の
身体測定の当日だ。
なぜこんな場所に女子生徒たちが集められているのかと言えば、午前中にとある騒ぎが保健室で持ち上がり、予定されていた午後の身体測定会場が急きょ、体育館に変更になったのだ。
全学年の女子が、こうして窓も多くてだだっ広い体育館に移され、そこかしこで不安げに身を寄せ合う。
案の定、
測量部員を名乗るなぞの不審者が発生したのだが、風紀委員長の北風貴子を始めとする勇敢な女子たちの手により、こうしてすみやかにフルボッコにされたのだった。
「ともあれ、
風紀の敵はこれで滅んだわ。みなさんの
バストの安全は守られてよ」
北風貴子がそう言うと、しかし息絶えたはずの闖入者の1人が突然、身をゆすって笑い始めるではないか。
「フフフ……だが我々測量部が、ここにいるメンバーだけだと思うな……。
測量部員の中でも、我らは一番の小者……」
「な、なんですって?」
すると、その言葉が合図だったかのように、体育館の四方から、
不思議な音が聞こえてくるではないか!
シャー……しゅるしゅる
シャー……しゅるしゅる
「あ、あの音はまさか……?」
「
測量メジャーの巻き取り音さ。フフフどうやら、スグそこまでやって来たようだな!
我々が学校中にばら撒いた
ビラに応えて立ち上がった、勇敢なる今年の新入部員たちが……ッ!」
「ダメです、風紀委員長! すでに四方を、取り囲まれています!」
「くっ……なんてこと! 穢らわしいネズミたちが、いつの間にこんなに!?
でも皆さん、安心なさい! この風紀委員長の北風貴子がここにいる限り、
貴女がた乙女の清らかな
バストには、なんぴとたりとも指一本触れさせませんわ!」
と風紀の腕章をそびやかして、大騒ぎの女子たちを落ち着かせようとする貴子だったが、
ちゅうちゅうちゅー。
「あっ、えっ……?」
なぜかその足許に1匹のネズミが。
「イヤーーーーーーーーーーー!?」
「ええーーーーーーーーーーー!?」
いきなりバタンキューと気絶してしまう我らが風紀委員長を、二度見する女子生徒たち。
どうやらあの捕らわれの測量部員の1人が、無駄にもれいびだったらしい。ネズミに変身して捕縛から逃れた彼は、きゃあきゃあ言う女子たちの足許を駆けめぐって一目散に、体育館の外へと逃げていってしまった……。
「ど、どどど、どうしましょう……」
後に残されたのは、気絶した風紀委員長と、無防備な体操服姿の女子たちだけ。
「どうするって……」
さあ、どうしよう?
この体育館に立てこもって、測量部員たちをここで迎え撃つ?
それとも、危険がいっぱいの外に出て、こちらから助けを呼びに行く?
あるいはすでにもう、鷲尾先生に変装した彼らのように、
測量部員は女子の誰かにも化けて、あなたの隣りに潜んでいるのかもしれないのだ! おびえてちらちらと、互いの顔を見交わす少女たち。
ただ、今言えるのは、ひとつだけ。
「あきらめちゃだめ。私たちにはまだ少しだけ、考える時間が残されているわ。
これからどうするかは、ここにいるみんなで考えましょう」
誰かれともなく言い出したその言葉に、うんうんと頷く彼女たち。
「そうね、そしてこの命ある限り、最後まで何としても守りきるのよ……
私たち乙女の、秘密のバストサイズを!!」
「「「バストサイズを!!」」」
体育館の天井に、女子たちの唱和が高らかにこだました。
さあお待ちかね、嬉し恥ずかし身体測定の始まりです。
このシナリオのために今回、『劔岳 点の記』のDVDを借りてきました。
こんにちは、ゲームマスターの鈴木二文字です。取材も勉強も、準備は万端であります。
▼サンプルアクション:
(1)測られたくない女子となって、体育館に籠城する。(おもに女子生徒用)
(2)測量部員となって、お目当ての女子を測りまくる。(不真面目な男子生徒用)
(3)女子のバストを、測量部員の魔の手から護る。(真面目な男子&女子生徒用)
(4)たまたま忘れ物をして/通りがかって騒ぎに巻き込まれる。(うっかり生徒用)
▼女子側のアクションについて:
・本シナリオに女子生徒としてご参加のPCさんは、体育館に籠城する/しないを問わず、全員アクションの1行目に【バストサイズ】の記入を必須とします(書式はサンプルアクション1、4をご参照下さい)。
・(カップサイズ)の記入は必須ではありませんが、書いてもかまいません。
・原則としてマスターが厳重に管理する秘匿情報ですが、アクション結果によりPCのバストが採寸されてしまうと、
北風貴子:◯◯cm(◯カップ)
といった表記で、そのバストサイズがリアクション内で公開されます。
・万一アクションにバストサイズのご記入が無い場合は、マスターが10面ダイス(サイコロ)を2個振って、出た目をそのPCさんのバストサイズとして公開いたします。
・体育館内部からスタートする女子PCさんの服装は、原則、体操服の着用となります。服の下に入る物なら何を着けていても、また付けていなくてもかまいません。
・男の娘やオカマなどの異性PCさんは、体育館の女子にしれっと混ざっているアクションを掛けてもかまいませんが、女子からは測量部員の一派とみなされて攻撃されてしまうかもしれません。気を付けましょう。
▼測量部のアクションについて:
・測量部は非公認団体ですが、山を愛する者なら誰でも出入り自由の、開かれたクラブです。入部希望のPCさんは、アクションのどこかに測量部である旨をお書き下さい。これであなたも今日から測量部員。
・測量部員を名乗らない、一匹狼としてのソロ活動もOKです。ただし、やってることが同じなら、女子からは同じ測量部員とみなされるかもしれません。
・測量部としてご参加のPCさんは、全員メジャーを所持しているものとします。
・女子生徒のバストの測定は原則、メジャーを使用しての、体操服の上からの採寸になります。
・カップ数も測りたい場合は、トップとアンダーのサイズを2回測る必要がありますので、採寸の難易度は2倍になります。
・是が非でも正確な胸囲を測りたいんだ!という場合は、女子の服を脱がせてから測るアクションを掛けてもかまいませんが、その場合の採寸難易度は、さらに飛躍的に跳ね上がります。
・あと、服の上からメジャーを当てる場合でも、そのままでは腕がジャマで採寸できませんよね。アクションで工夫して、何らかの方法で上手く、女子のワキを上げさせてみましょう。
・また、ガイド時点で測量部員が1人〜数名、体育館内部に捕まっておりますが、「実は、あの測量部員は俺なんだ!」ということにしたいPCさんは、アクション内でその旨を(できればコメントページでも)ご申告下さい。……小者じゃなくても良いのよ?
・リアクション開始時点ですでに体育館内部にいるという、非常に有利な立場でアクションを掛けられます。ただし、バレーのネットでパイプ椅子に縛られていますので、その意味では非常に不利な状態です。
・名乗り出るPCさんがとくに誰もいなかった場合は、ガイド登場の測量部員は無名NPCのままとなり、ネズミに変身して逃げたのでもういない、という扱いになります。
▼体育館の施設構造:
●内部
(中央)吹き抜けのメインフロア。バスケットボールコート2面分のスペースあり。
(東側)一部2階建て。1階には正面入り口と体育用具倉庫と階段、2階に卓球場とトレーニングエリアあり。
出入り口には履物をはきかえるスペースと、シューズ入れがあります。
(西側)武道場へと通じる出入り口あり。
(南側)開放できるスライド式の扉が数箇所にあり。2階は採光用の窓が全面にあり。
キャットウォーク(1メートル幅の通路)が窓下の壁沿いに設置されており、足場としても使えます。
(北側)スライド式の扉が数箇所にあり。2階には採光の窓あり。キャットウォークあり。
●外部
(東側)体育倉庫あり。何か役に立つスポーツ用具が保管されているかもしれません。
(西側)L字型の屋根付き渡り廊下を経て、武道場に通じています。武道場の入り口は西側にもう1つあります。
(南側)北校舎から屋根付き渡り廊下で連結。渡り廊下はトンネル構造ではなく、
雨除けの屋根が付いているだけですので、左右からも横断できます。
(北側)九夜山へとつながる裏山があります。森の木々に登れば、体育館の屋根か窓に飛び移れるかも?
測量部員が、何だかよく分からないことを言っておりますが、
基本的にはドタバタメインのコメディシナリオですので、お気軽にどうぞご参加下さい。
それでは、ご縁がありましたらまた、リアクションでお会いしましょう。鈴木二文字でした。