ここは、まもの達の住まう世界・
まかい。
火山地帯に位置する洞窟を統べる巨大な金属竜・
フェラマは、気まぐれな散歩の最中だ。
(同じ火山地帯でも、洞窟を出るだけで気分が違うわね)
と、機嫌よく歩を進めるフェラマ。
しかし、彼女の浮き立つ心とは正反対に、思いっ切り気分を害した竜が一頭。
「オイコラデカブツ! 此処をうち……じゃない、妾が統べる『玉の鉱道』の領域内だと知っての狼藉か!」
ぷんすこ……もとい、威厳たっぷりに怒りを露にするのは、
宝石竜(ジュエルドラゴン)。
サイズの差こそ歴然ながら欠片の怯みもなく、宝石竜はフェラマの眼前に飛翔し、声を張った。
姿勢は、威厳に溢れる腕組み立ち。
全身の晶鱗を逆立たせれば、龍姫としての身に宿す魔力が晶石に滾る。
並の相手ならば、慌てて領域内から逃げ出してもおかしくない、堂々たる威嚇だ。
その身に宿した数多のインペリアルトパーズが、龍姫の憤怒に呼応して、鮮烈に煌めく。
「この妾の領域を、飛び抜けるならまだしも歩いて抜けようなど言語道断!」
覚悟はできているんだろうな!? と相手を鋭く睨みつける宝石竜の眼差し。
対するフェラマは――その琥珀の瞳に感情の昂ぶりを微塵も覗かせず、落ち着き払って薄く笑んだ。
自分と同じ竜族の領域を踏み荒らしていたとは知らずに闊歩していたフェラマだが、
「あら? 同族かと思いましたが、随分と品のない口の利きよう。羽虫の間違いだったようですね」
といった具合で、素直に頭を下げる気などさらさらない。
すまし顔で自分を煽ってくる侵入者を前に、「なっ……!」と宝石竜は紅玉思わせる双眸を見開く。
「き、貴様……! 侵入者の癖をして、ふてぶてしいにも程があるぞ!」
「ぴいぴいと煩い羽虫ですね。おまけに、器の小さいこと」
「このっ……! ぶっちゃけこっちはなぁ、地響きが尋常なく起こって気が狂いそうなんだよチキセゥっ!!」
喚いたあとで、宝石竜は、トドメの一言を放った。
「さっさとでてけ、ウスノロー!!」
轟々たる啖呵を、フェラマはまたも意に介さず――とは、いかなかった。
「ウ、ス、ノ、ロ、ですってぇ……!?」
例えば、「飛ばずに地を這っていればその大事な宝石と縄張りごと足跡に埋めて差し上げましたのに」とか。
煽りに煽ってやるつもりでいたのが、ウスノロ呼ばわりに、プツン、と弾けた。
「ああいやだ、眼前を舞う頃合で蛾のようにはたき落とさなかったのは失敗だわ」
「貴様、さっきから何回妾を虫扱いすれば気が済むんだ!?」
「ああもう、煩いって言ってるでしょう!?」
「人の子ならまだしも、同胞たる竜からウスノロだなんて罵られる筋合いなどないわよッ!」
今からでも潰してくれましょう、と拳を構えるフェラマ。
猛る金属竜の咆哮は、さながら、ふしゃーっと威嚇する猫の如く、だ。
かくして、口喧嘩は、あっさりと殴り合いにステップアップ。
2頭の竜の、仲睦まじい喧嘩劇の始まり始まり!
お世話になっております、巴めろと申します。
プライベートシナリオのご指名、誠にありがとうございます!
以下、シナリオの詳細でございます。
このシナリオについて
まかい内の『玉の鉱道』にて、仲良く喧嘩しましょう!
自由度がかなり高め&通常のシナリオと比べてリアクションの文字数も多めになっておりますので、
例えば喧嘩後のあれこれなども、ご希望がございましたらバッチリ描写いたします。
お気軽に、アクションにご希望をたっぷりと盛り込んでくださいませ!
★『玉の鉱道』について★
まかいの火山地帯に位置する、宝石竜の領域。
今回の戦闘フィールド(?)となります。
どんな場所か具体的な指定がございましたら、
こちらに限り、コメントページに設定を投下していただけましたら参照させていただきます。
文字数の制限もありませんが、全ての要素を組み込めるとは限らないことだけ、ご承知おきください。
★使用スキルなどについて★
こんな技を使いたい! というご希望も、お心のままにアクションに盛り込んでいただけましたら、
可能な限り、リアクションにてバリバリ汲ませていただきます。
何となくこんな感じで詳細はお任せ! といったご指定も勿論OKです。
また、パッシブスキル(常時発動するタイプの能力)や戦闘スタイルの傾向なども、ご随意に。
一点だけ、用語は、検索をかけた際にすぐにわかるものをご使用願えますと幸いです。
それでは、アクションをお預かりするのを、心よりお待ちしております!