「えっ、何これっ!?」
伊藤 美緒は林の中で大声を上げる。何故ならそこが全く見知らぬ場所だったからだ。
だが、驚いて立ち尽くしている美緒に対して凶刃が迫る。
「危ないっ!」
硬い物同士がぶつかったような甲高い音が響く。
美緒の前に剥き出しの刀を差しだしているのは
伊藤 佳奈だ。彼女もまた事態を把握はしきっていないが、美緒に迫る危機を見て咄嗟に動いていた。
「大丈夫、美緒ちゃん?」
「え、えぇ、大丈夫よ! それにしてもいきなり何なのよっ!」
美緒がそう言いながら少し離れたところにいる男性を睨む。
病的に白い肌、血よりも赤い瞳。手に持つ斧で美緒を攻撃してきたところを見るに少なくとも友好的な存在でない事だけは確かだ。
「分からない、分からないけど普通じゃないのは確かみたい。それに私達の恰好も変だし」
「本当だ。何だろうこの黒い袴と羽織……?」
ここで美緒の脳内に少しだけ引っかかる事があった。最近この服装をどこかで見たようなと。それは確かネットの広告ではなかっただろうか。
それに良く見てみれば目の前にいる男もどこか見覚えがある。
「……これってもしかして」
「どうしたの?」
「ネットで宣伝してた新作ゲームに出てくる物に良く似てる気がする」
ハッとして先程からずっとこちらを見ている人間のように見えない男性をもう一度良く見る。
やはりそうだと美緒は確信した。あの男もその宣伝に出ていた敵だ。確かどこかに出てくるボスの手下という話だった筈だ。
「うわ、やっぱりそうだ。あいつ、屍食鬼とかいうモンスターだよ」
「つまり、ここは美緒ちゃんが知っている
オンラインゲームの世界って事ね?」
「うん、そうだと思う。そうなると、多分あの人は倒すしかない」
刀の鍔を鳴らして美緒もまた刀を抜く。それを見た屍食鬼は苦しそうな声を上げたかと思うと逃げ去って行った。
「あ、ちょっと!」
「……逃げちゃったね」
仕方なく二人とも刀を鞘に納めてこれからの事を話す事にした。
「どうしよっか、美緒ちゃん」
「うーん……とりあえず、情報収集するしかないんじゃない?」
不思議なゲームの世界。果たして、ここで何が起きるというのだろうか。それはまだ、誰にも分からない。
こんにちは、昂祈です。
まずは、伊藤 佳奈さん、伊藤 美緒さんガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
突然ですが、あなたはゲームの世界に入り込んでしまいました。
今回のテーマは、寝子島でも若い人を中心に噂になっているとある最新のゲームの世界です。
このゲームの世界で何をするかはあなたの自由となります。
ゲームについて
このゲームはオープンワールドのオンラインゲームで、ワールドのテクスチャやクエストの豊富さ、キャラクターの可愛さなどで評判になっています。
このゲームで出来る事は冒険や討伐に探索等様々あります。
皆様には何をしたいかを選択して頂き、アクションをかけて頂きたいと思います。
キャラクターの皆様の装備については、ファンタジーにありそうなものならご自由に決めて頂いて大丈夫です。
例えば、武器であれば剣や槍、弓、斧等々。銃についても拳銃であれば魔力を使用した弾を撃つという形で存在しています。
そして、杖や魔導書を装備する事で魔法を使う事もできます。
魔法は火、風、土、水の四属性で球を撃つボール系、壁を作るウォール系、全体を攻撃するストーム系があります。
防具については金属製、革製、布製とあり、左に行くほど硬いけど重いと言う形になり皮はバランスタイプです。
アクションについて
<冒険>
ダンジョンに出かけて中にいるボスを倒して財宝を手に入れるのが主目的です。
しかし、ダンジョンには敵であるボスがいるだけでなく罠が仕掛けてあり、罠の中には本来のゲームには存在しないらっ倫に引っかかりそうな罠もあります。
この罠に引っかからないように慎重に探索し、ボスまで辿り着いてボスを倒しましょう。
ダンジョンは二種類あって、洞窟の中に墓地が存在する墓地ダンジョンと滅びた城がダンジョン化した古城ダンジョンとなります。
雰囲気は正直どちらもホラーっぽさがあります。
街で事前に情報を収集する事で、ボスの弱点を知る事ができます。
ボスは火に弱く、黒い騎士は背中への攻撃が弱点です。
ボスは墓地ダンジョンは巨大なスケルトンで棍棒を装備しています。古城ダンジョンは鎖に繋がった鉄球を振り回す黒い騎士です。
罠は共通して落とし穴や前方から丸い岩が転がって来たり矢が飛んできたり、足場が爆発する罠等がありますが、それに加えて触手が飛び出して来たり、四方八方から水をかけられたり服や鎧だけを溶かすスライムが降って来るものもあります。
<討伐>
襲撃される村を護ったり、生贄にされそうな貴族の令嬢を助けたりするクエストになります。
どちらも相手はガイドに出て来た屍食鬼を群れで相手する事になります。
屍食鬼は斧を持っていて、普通の人間よりも遙かに速いスピードで動きますが本能によって動くのでパターンは単純です。
こちらのクエストではボスは存在しませんが、村が襲われないようにする必要があったり令嬢を助け出して守る必要があります。
防衛クエストでじゃ村人達に防衛の助言をする事で村の防御力が上がり難易度が下がり、令嬢救助クエストでは救助に行く前に情報を集める事で屍食鬼の気を引く方法を知る事ができます。
<探索>
この世界を街やら景色やらをただ楽しむ。
剣と魔法のファンタジーの世界なので、元の世界には存在しない黒い桜や虹色のバラのような花がありますし、グリフォンとかワイバーンのような動物もいます。それを見て楽しんだりする事ができます。
またこの世界では実は何故か料理がそのまま自然の中に溶け込んで存在しています。
例を挙げればポタージュスープの池やソーダの川、鳥の唐揚げが生る木、地面から直接生えるフライドポテト等です。
これらは総じて人の手で作った物よりも美味しくこれらを求めて冒険を繰り返す冒険家もいる程です。
これらの食材を探して回るのも良いかもしれません。
NPCについて
遠藤 健。
高校二年生。
同行のご希望があれば、一緒に参加します。
基本的に皆様のアクションに沿った行動をとります。
また遠藤以外のNPCの方でも、特定のマスターさんのキャラでなければ誰でもご指定して頂く事ができます。
気になるNPCさんがおられればどうぞご一緒にご参加ください。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!