「いきなりですの御姉様!?」
「先手必勝、甘い事抜かしてる暇はないさね。元は志桜里の技だろ?」
ズシーンッ。
吉住 志桜里の耳に轟くは地響き。
音と同時に叫んだ志桜里に、地鳴りの主たる
矢萩 秋はよく通る声で淡々と告げた。
その志桜里の手には、持ち歩いているソーイングセットの中から取り出したる針が一本、握られているのみで。
持っていて良かったと思うべきでしょうか。しかしさすがに、武器としては心許ないのは否めませんね……。
握りしめた針、相手のろっこん能力により確かに強化されていると信じて志桜里は構えた ――
『ピンポン♪ パンポーン♪ バトルしないと出られない! ろっこん逆転ですマッチー!!』
突如現れた空間。
閉じ込められたと知った者たちへ向けて、気の抜けたメロディと緊張感のない声色が響き渡ったのは数分前のこと。
その瞬間、誰もが察した(かもしれない)。
あ。これ、いつものやつだ。
各々が別々の空間にいながらにして、気持ちは一つだった(かもしれない)。
口調の「です」マッチなのか、「デスマッチ」なのか、イントネーション微妙じゃね……? というツッコミが脳裏をよぎったあたりで、どこからともない放送が続けて説明を行った。
曰く、同じ空間内に居る者たちのろっこんは、すでにその能力は交換されている事。
曰く、相手をノックアウトさせればこの空間から出られる事。
『気絶推奨だけれど、とりあえずこの空間内の容体は現実世界に反映されないからご安心を☆』と、一般人が聞けばとんだ言葉が付け足されながら。
必要な情報が放送されたと同時に一早く、俊敏に動いたのは秋であった。
勝手知ったる相手のろっこんを素早く発動させ、結果、志桜里は己のろっこん能力により小人化したわけである。
ええ、完全に不意を突かれましたとも。
ご挨拶とばかりに、自分を踏み潰す気満々な角度で一歩を踏みしめてきた秋に、脱帽しながらも志桜里はその一歩は読んでいたように全身を翻して転がり避ける。
しかしてその志桜里の動きとてこちらも読んでいたらしい秋から、間髪入れずに左右に踊るよう振られる足運び。
心胆が急速に冷えた心地を覚えながら、巨人の足先すれすれでひたすらに回避を試みる志桜里。
手を抜く気配は微塵もない秋から、追撃の足技が繰り出され続ければ、その度に巻き起こる突風に体を取られながらも、志桜里はその突風すら利用し後方へと身を滑らせた。
微かな距離を取れては、志桜里は秋を見据えるように顔を上げ、凛と、獰猛に、咆哮する。
「小さくとも出せる速度と距離に差はなし……鈍亀鬼に捕まる程、鈍くはないの!」
諦めを知らぬ光をその眼に見つけて、秋は狂暴な、そしてどこか妖艶な笑みを浮かべた。
「おうおう、小娘が粋がってよォ? この体格差を前にしても失われぬその闘気はよし!
だけどよォ……その発言はいけねェ。誰が鈍亀鬼だァ!?」
「体躯差に簡単に酔いしれては、その動き所詮半減。恐怖も何も起こりません!」
「なら……かかって来いよ! 鬼矢萩の真髄……見せつけてやるよ!
踏み潰されて蹂躙されても泣き言抜かすんじゃねェぞ、小娘!」
二人が恍惚と睨み合うその距離、志桜里からの体感は離れて見えるが、実際は秋からしてみれば摺り足一つで宣言通り踏み潰せる間合いである。
恐れを知らぬ志桜里、
全力で殺しにかかる秋、
この空間では互いの意に従って、すでに死闘が勃発したのだった。
吉住 志桜里様、ご当選おめでとうございます☆
この度は貴重なご指名枠の中に、当方を入れていただきましたようで本当に、本当にっ、ありがとうございます!
まさかこんな事があるとは夢にも思わず……高級餌に目の色変えて思わず食らいついた雑魚の如く。
引退したにも関わらずこうして参上してしまいました、遅ればせながらお久しぶりですまたは初めまして、
ちょっと恥じらってる蒼色クレヨンでございます。
今回、精一杯つとめさせていただきますので、何卒よろしくお願い致します!(ペコペコペコッ)
●自分と相手のろっこんが入れ替わって、いざバトルへ!
謎空間に閉じ込められたところからスタート!
ひゃっはー! と活き活き戦うも良し!
ろっこんが入れ替わっている事をお互いで確かめあったり、空間調べたり呼び掛けたり中々バトルしないも良し!
相手を倒す(気絶)で出れる……なら、フリ(演技)でもイケないかな……と、戦わず空間判定に挑むも良し!
お相手(他参加者様)を巻き込まないものでしたら、戦う以外に色々アクションかけていただいてもOK☆
(お話し合いの末、お互いご了承の上での事でしたら尚問題なし)
GA、またそれ以外の参加者様の場合
閉じ込められる相手(対戦相手)同士でGAを組まれた場合は、それを反映させていただきます。
GAを組まれていない参加者様は、
①名もなきNPCが相手(どんな能力を使ってみたいか、ご希望記載可)
②他のお一人参加者様とランダム決定(当方にお任せ)
のどちらをご希望か、アクションにご記載下さると助かります。
②の場合、アドリブ要素が増えます事、ご了承賜れれば幸いです。
基本は1対1を想定しておりますが、②の方が多い場合、3名が同じ空間(三つ巴)になる可能性も無きにしも非ず。
その場合、アクション内容次第で一人戦闘不能で脱出、または二人戦闘不能で脱出、となります。
ろっこん能力は、ご設定を参考にさせていただきますが、
記載されていない注釈的な内容があります際には、アクションにお書きいただけると当方が泣いて喜びます。
大変お久しぶり且つがっつり戦闘描写を書けそうで、ドキバクと待機中な、蒼色クレヨンでした!
ご参加、お待ちしております☆