11月となり、すっかり秋の様相を見せ始めた寝子島。
そんな寝子島で、ひっそりとだけど確かに広まっている噂がある。
曰く雪のように真っ白な毛で血のように赤い瞳、そして二又の尻尾の猫が歩いているのを見かける事があると言う。
その猫はけして捕まえる事は出来ない。歩いても走ってもけして追いつけない速度で歩くからだ。
だけど、その猫の後を付いて行こうと思えばそれは簡単だ。何故なら、追いつけないだけで離されもしない。付いて行こうと思えば幾らでも付いていけるのだ。
そうして白猫に付いて行った先にあるのはちょっとした幸運だと言う。
例えば、付いて行った先がケーキ屋だった場合。偶然ケーキが一個無料のサービスが受けれたり。
例えば、付いていった先が温泉旅館だった場合。何故かその温泉旅館に泊まる事が出来る宿泊券を持っていて泊まる事が出来たり。
例えば、付いていった先で失くしてしまったと思っていた物を見つける事が出来たり。
だけど、不思議な事にその幸運を堪能した後、同じ店や場所に行こうと思ってもそこに辿り着く事はないと言う。
確かに白猫に案内されていった通りの道を通っている筈なのに、どこにもそんな場所はないのだ。
「あれは……白猫?」
学校からの帰り道、
吉住 志桜里は脇道から歩いてきた白い猫が何故か気になった。
首輪もしていないから野良猫の可能性が高い。その筈なのに、その猫は見事な程に白い。まるで新雪かのように。そして、揺れる尻尾が二本あるように見える。
「猫又、ですか?」
猫又とは伝承やら古典などに出てくる猫の妖怪だ。どういった妖怪か細かいところはそれぞれで違うが、共通しているのは尻尾が二つに分かれているという特徴である。
つまり今、志桜里の目の前で歩いている猫も妖怪という事になる。
「そう言えば、最近白くて尻尾が二本の猫を見かけるなんて話がありましたね」
現役女子高生である志桜里はクラスメイト達が様々な話をしている為、噂話を聞く機会というのは多い。
その中にこの白猫についての話があった事を思い出していた。
白猫の方を見てみると、どうする? 付いて来る? と言わんばかりに振り返ってその赤い瞳を志桜里の方へと向けている。
「……ふむ。どうしましょうか」
話によれば付いて行けば幸運があると言う。さて、どうするかと白猫に見つめられながら志桜里は考え込むのであった。
こんにちは、昂祈です。
まずは、吉住 志桜里さん。
ガイドに登場して頂きありがとうございました!
もし、参加して頂けるようでしたら、アクションについてはご自由に考えて頂いて大丈夫です!
概要
突如として寝子島に現れるようになった白猫達。
白猫達は何をするでもなく突然人々の前に現れて、どこかに案内してくれます。
その案内をしてくれた場所で幸運にあって楽しむというのが今回のシナリオになります。
幸運について
・何かしらの店に案内されて、何かの商品が安く買えたりサービスを受けれたりする。
・何かしらの店でもう見つける事が出来ないと思っていた商品、買えないと思っていた商品を見つける事が出来る。
・温泉、温水プール、遊園地等のような施設に案内され、何故か一日利用券を持っていて自由に利用する事が出来る。
(街角で偶然案内用のパンフレット共に券を貰ったと言うのも有りです)
・公園とかに着いて、そこに沢山の動物がいて思う存分モフモフ出来る。
これらは幸運の例となります。
これ以外にも自由に考えて頂いて結構です。
またグループにてご参加して頂いた場合、同じ幸運を得る事もあればそれぞれ別々の幸運を得るという事も有ります。
因みにこれらの幸運は買いたいとか行きたいとか探したいと思っていたものである事もありますし、もしくは本人が望んだ事ではないけど偶然これになったという場合もあります。
NPCについて
遠藤 健。
高校二年生。
同行のご希望があれば、一緒に参加します。
基本的に皆様のアクションに沿った行動をとります。
また遠藤以外のNPCの方でも、特定のマスターさんのキャラでなければ誰でもご指定して頂く事ができます。
気になるNPCさんがおられればどうぞご一緒にご参加ください。