寝子島映画村の近くに、タピオカ専門店ができた。テイクアウトはもちろんイートインもあり、涼しい中で存分にタピオカを堪能できる。この店のタピオカには猫耳がついていて、ミルクティーやカフェラテの底に猫型のタピオカが沈んでいるのがかわいいとも評判だ。
店内には一匹の黒猫がいて、この猫がまた人気だったりする。
猫の名前は、たぴおか。
ただの猫ではなく、光の角度によって焦げ茶色にも見える不思議な色合いの黒猫だ。つやつやの毛並みが、何となくタピオカを想起させる。そしてこの猫は、撫でた者にささやかな幸せを与えると噂されていた。
タピオカの甘さが幸福感を呼んだ結果、そうなったのかもしれない。猫がかわいすぎて、幸せなことがあった時に猫を思い出す客が多かったからかもしれない。
店主も想像していなかったそんな噂はゆっくりゆっくりと広がっていき、それもあって店は繁盛していた。
ただひとつ問題なのは――
「……だめだ、やっぱり入れない!」
雰囲気、客層(9.8割女性)、そして猫――店が放つオーラがあまりにも“かわいい”為に、逃げだす男性客が多いということだろうか。
そして、
「ああ、貴重なお客が……!」
それを見て店主が涙することだろうか。男性客(候補)も、一度入ればきっと入りやすくなるだろう。坊主頭のがっしりした男性が店主だと知れば、きっと――
――この点で、たぴおかの飼い主でもある店主が幸せになりきれないのは言わないお約束で――
概要
今回は、タピオカ及びたぴおか添えの物語となります。
・純粋にタピオカを楽しんだり、
・純粋にたぴおかを楽しんだり、
・たぴおかを撫でてささやかな幸せを楽しんだり、(例:告白が成功した。バイトが決まった。なくした物が見つかった。店から出たら雨が止んだ。等々)
・男性客を逃がさなかったり、
と、タピオカを味わっていただければと思います。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
それでは、よろしくお願いします。