夏のある日。
一人のこの世ならざる存在が、寝子島を訪れた。
「ママの言いつけは守るし、夜更かしも寝坊もしないで生活リズムはカンペキ。授業はマジメに受ける優等生だし、宿題だって忘れない……」
それは見目麗しい少年の姿をしていた。
しかし頭にはネズミのような丸い耳が生え、腰には細長い尾が揺れていた。
「あーっ、つまんない! 良い子ちゃんなんてくだらないよ。ほら、ボクといっしょに……わるいこと、しよ?」
少年の姿をした悪魔が手のひらをかざす。するとそこから、ごぼりと真っ黒な物体が泡立ちながら現れた。
悪魔が黒い物体を粘土のようにこねまわすと、それは次第に形を持ち始め、やがて犬や猫、熊、狐に狸など、真っ黒なぬいぐるみの姿となった。
「ボクからのプレゼントだよ。受け取ってね♪」
怪しい微笑みに送り出され、黒いぬいぐるみたちは島中へと散っていった。
にこにこ
ロベルト・エメリヤノフが、いつものように道行く美少年ウォッチングをしていた時のことだった。
『大変大変! 大変です~!』
「わぁ!? びっくりした!」
突然頭の中へ届いた声に、
ロベルト・エメリヤノフは飛び跳ねた。
声の主は、
ミラだ。
『大変なんです! 厄介な
悪魔が寝子島に入り込みました!』
「あ、悪魔って?」
『ネズミ悪魔の
『ハーミィ』という名前で、とってもイタズラ者なんです……』
ミラによると、悪魔は美しい少年の姿をしていて、子どもを標的としているという。
真っ黒いぬいぐるみの形をした
『あくのこころ』を子どもに植え付け、些細な悪事へと導く。
しかし、事はそれだけにとどまらない。
『植え付けられた『あくのこころ』は、子どもが育つのといっしょに成長していって、いずれ宿主を大悪人に仕立て上げてしまうんです!』
「な、なんだって……! いたいけな少年の心がそんなことに!?」
『ここは、
<時の特異点>です! たったひとりでも、子どもに『あくのこころ』が植え付けられてしまったら……やがて10年後の寝子島は、大犯罪都市になってしまうんです!』
子どもなら、誰でも悪魔のもたらす『あくのこころ』に捉えられてしまう可能性がある。
つまり、ロベルトの愛する美少年たちもまた、例外ではないのだ。
「子どもたちのために、僕にできることはあるかな……?」
高城ヒトです、よろしくお願いします!
ロベルト・エメリヤノフさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
寝子島へ現れた『ネズミ悪魔のハーミィ』が、『あくのこころ』をばらまき、
子どもたちを悪の道へと誘おうとしています。
子どもたちがひとりでも『あくのこころ』に魅入られてしまったら、
やがて寝子島は超犯罪都市の無法地帯になってしまうのだとか。
寝子島の未来のため、悪魔をやっつけて、子どもたちを救ってください!
アクション
アクションは主に、以下のどちらで行動するか、選んでください。
◆A:『あくのこころ』をやっつける
犬、猫、熊、狐や狸など、愛らしいぬいぐるみの姿をしていますが、色はいずれも真っ黒です。
島中をうろついていて、子どもを見つけると狙いを定め、愛らしい仕草で近づき胸に飛び込んできます。
子どもは『あくのこころ』を抱いていると、悪いことをしたくなるようです。
『あくのこころ』は、抱かれていると徐々に子どもの胸の中へと入りこみ、
やがて完全に子どもの心と一つになってしまいます。
すぐに引き剥がすことができれば、子どもを救うことができるでしょう。
脆いので、一発攻撃を加えれば霧散してしまいます。
しかし非常にすばしっこく、捕まえるのは苦労しそうです。
また子どもに抱かれている時は、子どもを操り盾にしたり、反撃してくることもあります。
なお大人でも、子ども心を忘れない人や、ふと童心に返った一瞬の隙に、
『あくのこころ』に付けこまれてしまうこともあるようです。
◆B:『ネズミ悪魔のハーミィ』をどうにかする
ネズミの耳と尾を持つ美少年の姿をしたの悪魔。
島のどこかにいて、『あくのこころ』を作り出しています。
決まりや規則といった言葉が大嫌いで、わがまま。
ただ見た目どおりの純朴さな一面もあって、見たことのない珍しいものや、
美味しい食べ物には目を輝かせて喜んだりもするようです。
ちなみに、戦うのはけっこう得意で、バトルにおいては身体能力が高く好戦的な強敵です。
力技での解決を目指す方は要注意。
なお、自分が『あくのこころ』にとらわれてしまう、というアクションもOKです。
複数人でGAを組み、悪いことをしようとする友だちを止める! なんていうのもアリ。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!