「悪い子はいねがぁーーー」
春になると、妙なヤツが湧く……なんて言いますが、今は八月。真夏です。ついでに言うと、なまはげシーズンもだいぶ先のこと。
「食べ物を粗末にする、悪い子はいねがぁーーー」
「なんじゃありゃー!?」
卯木 衛が目撃したのは、なんとも奇妙な怪異でした。
「お残しはゆるさんぞぉーーー」
そいつは、全身がキャベツや白菜で、顔には目の部分にトマト、鼻はなすび、口にはキュウリがくっついていました。
「毎日食べられることに感謝しろぉーーー」
そいつは、全身が大きな塊肉でできていて、頭の部分には一羽分の鶏肉がどんと乗っかっていいました。
「好き嫌いするなぁーーー、魚も食えよぉーーー」
そいつは、直立する巨大な魚に手足が生え、両手には魚の切り身を持っていました。
というか、
サンマさんじゃん!
「悪い子はいねがぁーーー、っとくらぁ」
なぜサンマさんまでもが加わっているかは分かりませんが、ともかく身体が食材で構成された、何とも奇妙な
怪人たちでした。
シーサイドタウンの街中に現れた一団は、我が物顔で通りを練り歩いていきます。
そして行き会った人間に、
「お前、好き嫌いはあるかぁーーー!?」
と尋ねるのです。そこで「ない」と答えればいいのですが、うっかり正直に、
「えっ? 僕、ピーマン嫌い……」
などと答えると、
「じゃあお前がピーマンになれぇーーー。ピーマンを理解するんだぁーーー」
「うぎゃーーー!?」
野菜怪人の手から放たれたビームが炸裂し、その少年――
東門 巧――は一瞬にして、等身大の(?)巨大ピーマンに変身してしまいました。
「な、なにやってんだーお前らー!?」
思わず声を荒げてしまった衛でしたが、怪人たちはくるりと振り返り、彼を目にして言いました。
「お前は……小学生かぁーーー」
「だ、だーれが小学生だぶん殴るぞ!?」
「お前の嫌いな食べ物はなんだぁーーー」
「お前も嫌いなものに変身させてやろうかぁーーー」
「うわっ、来るなーーー!!」
街に現れた怪人たちは、島中の人々を野菜に、お肉に、お魚に変えていきます。
なんということでしょう! このままでは、島のフツウが大ピンチです!
すぐにも解決せねばなりません!
こんにちは、よろしくお願いします!
卯木 衛さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
シーサイドタウンの往来に、奇妙な怪人たちが現れました。
彼らの身体は食べ物でできていて、好き嫌いのある人を見つけると、
その人の嫌いな食べ物に変身させてしまいます。
人々が怪異を目の当たりにしてフツウが壊れてしまう前に、対処しましょう。
野菜や肉や魚に変身させられた人々は、どんどん増えていきます。既に相当数の、特に子どもが犠牲になっているようです。
変身してしまった巧や子どもたちに、その「嫌いなもの」を食べさせると元に戻りますが、彼らはなかなか食べてくれません。
また、大元である怪人たちをやっつければ、犠牲者も元に戻ります。
怪人たちは口々に「食べ物を大切に」「残さず食べなさい」等々言っています。色々と不満があるのかもしれません。そこに解決の糸口があるかもしれません。
中にはこれをチャンスと捉え、子どもたちの好き嫌いをなくそうとする親たちもいるようです。親に協力するもよし、子どもの味方をするのもいいでしょう。
アクション
怪人たちは以下の三人がいます。
◆お野菜怪人
全身が様々な野菜でできている。
手から放つ光線は、浴びた相手をその人が嫌いな野菜へ変身させてしまう。
また、固いカボチャを砲弾のように飛ばしてきて、当たるととっても痛い。
◆お肉怪人
全身が様々なお肉でできている。
手から放つ光線は、浴びた相手をその人が嫌いなお肉へ変身させてしまう。
手は骨付き肉でできていて、骨の部分で殴られるととっても痛い。
◆お魚怪人
なぜだか怪人たちと行動をともにしているサンマさん。
子どもたちへの食育キャンペーンか何かだと思っているようだ。
今回は、手から放つ光線で、浴びた相手をその人が嫌いなお魚へ変身させてしまう能力を持っている。
大きな魚の骨をブーメランのように投げてくる。当たるととっても痛い。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!