「『
夢体験』……?」
「おおよ。ここは、『
夢のふくびきや』さ」
どじょう髭を生やした怪しい中年男が言うことに、
立花 深紺灯は思わず眉をひそめる。
シーサイドタウンの街中である。小奇麗な街並みには似合わない、古めかしいその店に掲げられた『ふくびきや』の看板は、店主であるらしい男の風体もあって、いかにもうさんくさく見えた。
「夢体験って、なんなんですか?」
さして興味はなかったはずだが、気づくと深紺灯はそう尋ねていた。
男の営業トークにまんまと捕まってしまったのだろうか。あるいは、また神魂の影響でも働いているのだろうか?
「おう、よくぞ聞いてくれた!」
男は嬉々として語り始める。
「最近ハヤリの、ばーちゃるりありてぃー、とか聞いたことないか? 要するにあんなようなもんよ。店に、ガラガラがあってな。ほれ、商店街の福引なんかでお馴染みの、あのグルグル回すやつだ。そいつを回して出てきた玉っころには、数字が書いてある。番号次第で、お前さんはこの世のものとは思えない、まさに夢のような素晴らしい体験を味わうことができるって寸法よ。どうだい、楽しそうだろ?」
「素晴らしい体験……ですか」
「そう、夢体験なら、あんたは何にだってなれる! 例えば、そうさな……魔法少女とか」
「源氏物語にでも出てきそうな、雅なお姫様になることだってできるし」
「すげえ超能力を自由自在に操って、アクション映画さながらの大活躍を披露することだってできるんだぜ」
聞けば聞くほどに、怪しい。
怪しいがなぜだか、やけに気になる。
「なーに、難しいことなんてなんにもねえよ。やってみりゃあ分かる、な? 一回だけでも体験してみてくれよ。ほら、な?」
「は、はあ……」
「よっしゃ、一名様ご案内~!」
流されるまま、深紺灯は店へと足を踏み入れる。
半信半疑なままガラガラに手をかけると、店主は楽しそうににんまりと笑い、どじょう髭を撫でつけた。
「良い夢見なよ? くっくっく」
高城ヒトです。よろしくお願いいたします!
今回は、ふくびきやの第二弾です。
立花さん、ガイド登場ありがとうございました!
概要
今回は、『夢体験』を売るという、不思議な『ふくびきや』のお話です。
皆さんは、街のどこかで『ふくびきや』というお店を見つけます。
ガイドでは旧市街でしたが、シーサイドタウンや星ヶ丘、どこにでも現れるようです。
『ふくびきや』では、ガラガラを回して出た数字によって、様々な『夢体験』をすることができます。
夢体験とは、例えば最近流行りのVRゲームのように、現実ではない空間や別世界に飛び込んで、
ありえない体験をすることができる……というものだそうです。
店主らしい男に声をかけられると、男の話術のためか、それとも神魂が何らかの影響を与えているのか、
なんだか「やってみようかな?」という気分になってしまいます。つまり、断ることはできません!
せっかくなので、思い切ってガラガラを回してみてください。
きっと素晴らしい体験が待っていますから。
※『夢体験』をしている間、現実の時間はほとんど進まないようです。
現実のことは気にせず、思い切り楽しんでください。
アクションでできること
参加が確定したら、まずはコメントページで何か発言して、サイコロを振ってください。
サイコロの左の目によって、どんな夢体験をするかが決まります。
夢体験の世界観や時代、詳しい設定などは、自由に決めていただいて構いません。
いつもの自分と違う人物になり切ってもOKです。
※GAを組んで、複数人で同じ夢体験をすることもできます。
GAを組む場合、サイコロは、
1.代表者一人が振る
2.全員で振る(出た目が別の場合、夢が適当に混ざる)
お好きなほうをお選びください。
○サイコロの目が1:アドベンチャー
海賊になって七つの海を探検し、隠された財宝を見つけたり。
迷宮を踏破して、とらわれのヒロインを救い出したり。
○サイコロの目が2:恋愛
あなたが主人公やヒロインの恋愛ドラマ。
ハッピーエンド、切ない悲恋ものも思いのまま。
○サイコロの目が3:バトルアクション
ヒーローになってヴィランと激しいバトルを繰り広げたり。
巨大化して怪獣をスカッとやっつけたり。
○サイコロの目が4:クライムアクション
スタイリッシュに銀行強盗したり。華麗に宝石を頂戴したり。
犯罪者を追いつめる熱血警察官として、派手なカーチェイスを演じたり。
○サイコロの目が5:ホラー
恐ろしい怪物に追いかけ回されるサスペンス体験。
廃墟に閉じ込められ、亡霊に追い詰められる心霊ホラー体験。
○サイコロの目が6:お色気コメディ
絶え間なく起こるきわどいエッチなハプニング。
とにかくモテまくるハーレム体験。
備考
・『ふくびきや』の店主は、アクションに特に指定がなければ、リアクションには登場しません。
それでは、ご参加をお待ちしています!