「なぁ。あれ、何だと思う?」
「うーん。見た目は蛇に近いかな? 随分と禍々しい上にかなり大きいけど」
寝子島高校の屋上で
如月 庚と
志波 武道が真正面に見えるモノについて話をしている。
話をしているのこそ二人だけだが、この場には
屋敷野 梢、
呉井 陽太、
黒依 アリーセ。そして彼らと同じようにこの現象に巻き込まれたらしい、何人かの仲間の姿もあった。その全員が見据えているのは同じモノ。あまりにも巨大で禍々しい蛇。
彼らは少し前まで昼休みを思い思いに過ごしていた。しかし、突然まるで何かが軋むような音がしたかと思えば世界の様子が一変したのだ。
昼食を食べながら話していたクラスメイトが、楽し気な喧騒が、穏やかな空気の全てが消え去り、空はまるで血を想わせる不吉な色へと変わり果てていた。
一体、何が起こったのか? 何もかもが全く解らないが、兎に角見晴らしの良いところで状況を把握しようと判断して辿り着いたのが屋上だったのだ。
そして、そこで目に入ったのが海岸から少し離れたところにいるあまりにも巨大な蛇の姿である。
「あれ、あの海岸から上陸しようとしているみたいね」
「ここから見える範囲では人影が全然見えませんねー。てことは、多分ここ普通の空間じゃないですよね
ー?」
「んー。もしかしてだけど、あれをオレ等に倒せとかそういう系?」
庚と武道の話を聞いていた、アリーセ、梢、陽太がそれぞれに思った事を口にする。
すると、まるでタイミングでも計っていたかのようにどこからともなく声が聞こえて来た。
「中々察しが良いじゃないか。その通りだ」
彼らの前に音もなく降り立つそれは背中が灰色で腹が白い猫だった。名をテオと言う紛れもない一柱の神だ。
「テオ。あの蛇みてぇなのが何か知ってるのか?」
「あれは嘗て存在したとある化け物の残滓みたいなものだ。どうやら何かの切っ掛けで表面化しちまったみたいだな。名前は……ヴリトラにでもしとくか」
突然現れたテオに庚があの海に浮かぶ巨大な蛇について尋ねるとそんな答えが返って来た。
「じゃあ、この人がいない世界は何ですかー?」
「ここは本来の世界から俺が切り分けた世界だ。あんな化け物に向こうで暴れられたら色々な意味で大変な事になっちまうからな。急ぐ必要があったから寝子島をコピーしてるから、建物とかはそのまんまあるけどな」
「んで、オレ達にアレを倒せって? 幾らなんでもちょっとばかり無理があると思うんだけどねぃ」
「悪いがお前たちで何とかしてくれ。この世界にずっと閉じ込めておけるわけじゃない」
「つまり、倒さないといつかは向こうにあの蛇が出現してしまうと」
「そういう事だ。そして、向こうに出現したら最後あいつは暴れまわる」
梢、陽太、アリーセから次々に向けられる疑問に滞りなく答えて行くテオ。
アリーセからの疑問に対する答えを聞いて武道が一つ溜息をつく。
「まぁ、見た目からして人畜無害なーんて事は思っちゃいなかったけどね。とりあえず、テオ。もう少し詳しい話、聞かせてくれる?」
こんにちは、昂祈です。
まずは、志波 武道さん、屋敷野 梢さん、呉井 陽太さん、如月 庚さん、黒依 アリーセさん。
ガイドに登場して頂きありがとうございました!
もし、参加して頂けるようでしたら、アクションについてはご自由に考えて頂いて大丈夫です!
○概要
今回は対モンスターでのガチンコバトルシナリオとなっています。
相手は全長40メートル前後程の巨大な蛇の怪獣―ヴリトラになります。
ヴリトラの詳細な目的は不明なるも、寝子島を襲おうとしているのは間違いないようです。
それを防ぐにはテオが用意した世界の中でヴリトラを撃破するしかありません。
○ヴリトラについて
この項目はテオからの説明で判明したヴリトラの特徴や能力について記載しています。
全長40メートル程の禍々しい蛇に似た化け物。
大きさはかなりのものだが、蛇らしくその移動速度は中々速い。
額や顔の側面からは刃のような形をした角が生えており、突進された場合は注意しなければその角で切り裂かれるかもしれない。
<1つ目の能力:鏡合わせの悪意>
ヴリトラは戦闘開始すると、自らと戦う者の数だけ頭を増やす事が出来る。
増えた頭は全て本物でありそれぞれが独立した思考を行う。
ヴリトラを倒すには、増えた頭を全て倒す必要がある。
<2つ目の能力:氷弾>
氷の塊を口の中から高速で撃ち出す能力。
ヴリトラの攻撃の中で一番射程が長い。
1つの頭につき1回3連射できるが、使用した後は3分間使用不可。
この使用不可時間は各頭毎である。
<3つ目の能力:伸縮の刃>
刃のような角を高速で伸ばしてくる。
射程は氷弾程ではないが、代わりに速度は氷弾よりも速い。
伸ばしている時は強度が弱くなっているようでへし折るチャンスでもある。
○武器とシールドについて
テオが切り分けた世界には、神魂の影響によっていくつかの武器が落ちています。
また、この世界でのみ使える能力もあります。
それらについてここで説明します。
<落ちている武器>
大剣、片手剣、銃の3種類の武器が落ちています。
これ等の武器はヴリトラに対して特効がある武器として創られています。
それぞれの特徴は以下の通り。
大剣:重量が重く両手で持つ必要がある。取り回しがし難いが当たった時の威力は一番高い。またヴリトラの突進にも耐えうる頑丈さがある。
片手剣:両手剣より軽く片手で扱え取り回しはし易い。威力は中。大剣と違いヴリドラの突進をまともに受けると折れる。
銃:形状としてはリボルバー形式のハンドガン。出るのは普通の銃弾ではなく光弾。威力は一番低いが遠くから攻撃する事が出来るのが利点。
<シールドの能力>
神魂の影響により、この世界の中では、各員2回までシールドが使用できます。
このシールドは5秒間持続し、その間はヴリトラの攻撃を一切通しません。
○備考
このシナリオはいつも通り単独、グループのどちらでの参加も可能です。