――『カプセルギア・マスカレイド』
その広告が出されたのは、ある春の朝だった。
このイベントは、
仮面をつけて正体を隠した状態でギアバトルを行うというもので、戦ってみるまで相手が誰か分からないのが特徴だ。それに立食ブースあり、パーツ販売ブースあり、バトルステージありで、いろんな楽しみ方ができるらしい。
さらに、その第1日目は小学生・中学生のみが参加可能でしかも入場料も無料なのだそうな。その知らせに、多くの子供たちが浮足立っていた。
「仮面をつけて、カプギアか……」
チラシを手にした
煌 白燕 、なんとなく気になってそのチラシをよく読んでみる。と、そこには……本当に小さな文字で『協賛:ユグドラシル』と書かれていた。
――それから数日後。
午前9時 50分。
その日は土曜日。多くの子供たちで『カプセルギア・マスカレイド』の会場はにぎわっていた。
「わぁっ……!」
熱気に溢れた会場に、白燕は目を輝かせる。彼女は早速持参した仮面をつけ、相棒のカプギア
『サンゴクナイト』をつれて中に踏み出した。
(これはカプギアの歴史を紹介するブース。そして、こっちがカスタムブース……。それにカプギアに関する相談ができるだけでなく、軽食コーナーや自由に使えるバトルステージ……。至れり尽くせり、だな)
子供たちが夢中になるのも無理はないな、と頷いている白燕はその中に目元だけを隠す白い仮面をつけた少年を見つけた。――ギアマスターの一人、
牧 雪人である。
「イベント、楽しんでるか?」
「まぁ、ね。けれども……楽しんでばかりも居られないかもな」
白燕の声に雪人が苦々し気に答える。彼は白燕をパーティションの影に連れて行くとこっそりと言った。
「妙にきな臭いにおいを感じた。ユグドラシルの協賛で何も無い訳がない……。警戒した方が……」
ところがその時、2人はふと、不穏な言葉を耳にした。
――首尾はどうだ?
――はい。洗脳装置の準備は整いました。
――12時のイベントに合わせ発動させる。
それまでに邪魔されぬよう、目を光らせておけ。
声を潜めて会話しているのは、イベントのスタッフらしい男たちだ。
(
洗脳装置……だと?)
白燕は思わず息を飲んだ。それは雪人も同じである。ユグドラシルは子供を洗脳してなにかをしようとしている。
だが、まだ洗脳装置は作動していない。聞こえてきた話を聞く限り、12時までに洗脳措置を見つけ出し、停止用パスワードを打ち込めばよいのだ。
「これが本当なら、早く装置と停止用パスワードとやらを探さねば……」
「そうだな。状況を打破しなければわかるものもわからない」
白燕たちは早速探しに行こうとするが……嫌な予感がして振り返った。
「また会ったな」
白燕の視線の先。バイザーで顔を隠した小柄な大人がいた。バイザーに見覚えのあった白燕は身構える。
「お前は……歪屋!!」
「如何にも。今日はユグドラシルのイベントに来てくれてとてもうれしいよ」
過去に行われた
非公式大会<デッドエンド>の主催者だった
歪屋 チヒロがにこやかに笑って白燕を出迎えようとする。しかし、彼女は一歩下がり、表情を険しくした。
「子供を洗脳して、どうするつもりなんだ!」
「洗脳……? なんのことだ?」
白燕の言葉に、チヒロは不思議そうに問い返す。その様子は本当に知らないようなふうにもみえる。その様子に、白燕は困惑した。
「しかし、聞いたのだ。洗脳装置を12時に発動させると……」
白燕の言葉に、チヒロは「何っ……?!」とわずかに眉を顰め、ぐっ、と手を握りしめた。
その様子を、赤いスーツを纏った男が興味深そうに見ているとも知らず……。
「ほぅ……。これはこれで面白いことになりそうだ」
彼はそう目を細め、楽しげにつぶやいた。
ユグドラシルは、いったい何を企んでいるのだろうか。
これは、調査する必要があるだろう。
と、いう訳でカプギアマスターのみんな、集合!!
大変お待たせしました。第六話を担当させていただきます、菊華 伴です。
大変申し訳ありませんが、こちらは、小学生、中学生のPC限定シナリオとなります。
(※ほしびとは、【ひと時の外見年齢が小・中学生以下】のPCのみ参加可能)
該当しない方のご参加はできません。ご了承くださいませ。
また、今回は菊華が担当しますがカプギアは話しません。
(菊華担当は大抵カプギアが話せる状態になっているパターンが多いので念のためアナウンスさせていただきます)
なお、「携帯戦記カプセルギア 第一話~第五話」や、関連シナリオを読んでいなくても、
当シナリオには問題なくご参加いただけます。
ベテランギアマスターな方も、初めての方でも、お気軽にどうぞ!
カプセルギアとは?
『携帯戦記カプセルギア』とは、頭や腕、足などを組み替えてカスタマイズできる、
全高10cm程度の小さなロボットのこと!
スマートフォンにインストールした専用アプリで、ラジコンのように自由に動かすことができます。
詳しくは、以下の『カプセルギアとは』をご覧ください。
→ 『携帯戦記カプセルギアとは』
概要
表向きはカプセルギアの公式のイベントですが、その裏では、ユグドラシルが洗脳工作に動いています。
参加している子供たちを洗脳する装置を準備しているようですっ!
今回は、
【1】洗脳装置を探し出す
【2】装置の停止パスワードを持つ3人を探す
【3】ユグドラシルの狙いを探る
【4】普通にイベントを楽しむ
【5】その他
の中から行動を1つ選び、アクションをお書きください。
もちろん、事件には気づかず、普通にカプギアイベントを満喫することもできますよ。
※2つ選ぶと描写が極端に減る可能性がありますのでご注意ください。
アクション
【1】洗脳装置を探し出す
洗脳装置が作動する前に、止めなくてはなりません。
相棒たるカプギアと共に、探し出しましょう!
<洗脳装置 設置場所のヒント>
・12時のイベント(アニメ試写会)に合わせ、装置を発動させる。
・装置は弁当箱ほどの大きさ。
・カプギアでなければ入り込めないような場所にある
・なにかと繋がっているらしい。
・発動したら会場全体に効果を広げる
因みにパスワードは4つの数字からなります。
解除するためには、カプギアが番号を装置に打ち込まなければなりません。
<参考資料>
今回は1つのホールをいくつかのブースに区切っています。
一番奥にステージがあり、最先端のスピーカーが備えられています(当日はアニメ試写会あり)。
ステージ周辺は、関係者以外立ち入り禁止になっており、色々な機械が……。
会場にはいくつもの監視カメラと連絡事項用のスピーカーが設置されています。
【2】装置の停止パスワードを持つ3人を探す
スタッフの一人である歪屋 チヒロ曰く、今回のイベントでは、初心者~中級者にアドバイスできるよう、
『ユグドラシル』所属のギアマスターが3名参加しているそうです。
このギアマスターたちとのカプギア勝負に勝てば、装置の停止用パスワードが入手できるかもしれません。
ただし、今回のイベントは『カプセルギア・マスカレイド』。彼らがどんな仮面をかぶっているかはわかりません。
しかも、3つのパスワードのうち、2つはダミー!!
歪屋は上司(赤いスーツの男のようです!)との会話から、
彼らを見つけ出すためのヒントを以下のように推測しました。
◆1人目
カプセルギア『スレイブマスター・ウィズ』
デッサン人形が魔法使いの衣装を纏ったような姿をしており、長い杖を持っています。
主に重力操作と氷をつかった技を出してきます。
「そうだな、このマスターは冷え性で青いカーディガンを羽織っているらしい」
◆2人目
カプセルギア『スレイブマスター・アルタイル』
デッサン人形の上半身に猛禽類の翼と下半身を持つカプギアです。
素早い動きと、猛禽の鋭い爪で攻撃を行います。
「このマスターは赤いベレーを被った女性だったと思う」
◆3人目
カプセルギア『スレイブマスター・シャドウ』
デッサン人形が忍者の衣装を纏った姿をしており、クナイを持っています。
煙幕弾、チャクラム、粘着弾の他、火遁の術を使います。
「確か、和服を纏っていたような……」
<制限時間>
リアクションは、午前10時からスタートします。
午前11時 55分までに洗脳装置を見つけ出し、カプセルギアを使ってパスワードを打ち込んでください。
でなければ、アニメ試写会が始まった10分後には洗脳装置が発動してしまいます!
※イベント開始ごろには警備が強化される為、難易度が爆上がりします※
【3】ユグドラシルの目的を探る
歪屋と共に行動し、赤いスーツの男と対話します。
以前にも寝子島で暗躍し、カプセルギアの人気を奪い取ろうとした男ですが……。
今回はこのイベントと、その責任者である歪屋の様子を見に来たようです。
対峙してみれば、もしかしたら、何か情報が得られるかもしれません。
※ただし対話の流れによっては、カプギアバトルに発展する可能性も……?
【4】普通にイベントを楽しむ
事件に気付かないまま、普通にイベントを楽しみます。
今回はカプセルギアのアニメの試写会もあるとの事でかなり賑わっていますし、
新作のパーツやアニメ関連グッズのお菓子など盛りだくさんです! 散財にお気をつけて。
※立食ブースの食べ物や飲み物はは無料で提供されるそうですよ!
【5】その他の行動
上記4つ以外の行動の場合は、こちらの選択肢をご利用ください。
登場NPC
◆牧 雪人
ギアマスターの一人。今回の洗脳騒動に対し表情を険しくしています。
彼にしてほしい事がある場合、アクションに記載願います。
◆歪屋 チヒロ
スタッフの一人であり、今回の仮面舞闘会の主催者です。
ただし、洗脳騒動については……?
それでは、宜しくお願いします。