神魂の働きは、時に理解しがたい。
寝子ヶ浜海岸に集められた人々を前に、進行役らしき男が叫ぶ。彼は桃柄のTシャツを身に着け、頭には桃の形の帽子をかぶっていた。
「片尻にタッチしたら、1PP(ピーチポイント)! 両尻をぐわしっとつかんだら3PP! 制限時間内に最もPPを稼いだ方の優勝です!」
「……ほほう?」
いつの間にやらここにいて、知らぬうちに水着など着せられていた
哀坂 時音だが、話を聞くなり、その瞳がぎらりと輝く。
どうやらこれは、参加者同士で行う競技のようだ。
参加者のお尻、司会が言うところの『ピーチ』に触れればポイントを得られる。逆に触られれば、ポイントを奪われてしまう。
そうしてポイントを奪い合い、最終的に一番ポイントの高かった者の優勝だ。優勝すれば何か賞品ももらえるらしい。
ビーチには砂でできた壁やオブジェのようなものが多数設置されていて、ある種の迷路のような様相を呈している。
これらを遮蔽物として隠れ、上手くライバルの背後を取ることが肝要となるのだろう。
「これは……揉みがいが、ありそうだ」
時音はすっかりヤル気のようで、両手をわきわきしている。
参加者は男女ともに半々程度で、突然この場に呼ばれて戸惑う者、時音のように前向きな者、様々だ。
もちろん、誰かの尻にやおら手を伸ばし揉みしだこうものなら、それは犯罪だろう。まごうことなき痴漢である。すぐにも警察の事情聴取を受けることになるのは必定だ。
だがこれは競技であり、そして神魂の影響はこの海岸一帯に広く影響を及ぼしているらしい。
ビーチの中にある限り、ピーチを揉み放題なのである。
「制限時間は1時間! 皆さん、張り切ってどうぞ! ちなみに最下位の方には、お尻にとんでもないことをされてしまうという、世にも恐ろしいバツゲームが待っていますよ!」
司会者が叫ぶ。どうにも不穏な言葉も聞こえたが、ともかく競技開始だ。
時音は素早く周囲を見回し、獲物を見定めた。
「男は……いらん。女は、全て……時音の、ものだ」
こんにちは。網と言います。どうぞよろしくお願いします。
寝子ヶ浜海岸で、奇妙な競技が行われることになりました。
その名も『ビーチでピーチ狩り大会』。ピーチはお尻です。お尻を揉み合う競技です。
皆さんは神魂の影響でいつの間にかこの場に呼び寄せられたり、
何事かと興味を持ってやってきた、大会の参加者です。
神魂のせいで、大会が終わるまで海岸を出ることはできません。棄権もできません。
なお皆さんの格好は、いつの間にか水着に変わっています。デザインは自由です。
お尻の片方に触れたら1PP(ピーチポイント)。
同時に両方触れたら3PPゲットできます。
ただし、一度触れた相手には、5分程度間を置かないと、再びポイントを得ることはできません。
自分が触れられると、その分のポイントを相手に奪われてしまいます。(マイナスにはなりません)
制限時間1時間の間に、最高PPを獲得した参加者が優勝です。
優勝者には賞金5万円と桃がたくさんもらえます。
なお最下位になった人は、『お尻に××××なことをされてしまう』という、
恐ろしいバツゲームが待っています。詳しくは教えてくれないところがさらに恐怖をあおります。
この日のビーチには広く神魂が影響しているようで、
誰のお尻を触ろうが揉みしだこうが、痴漢扱いはされません。
それ以外の部分については分かりませんが。
ちなみに参加者の中には、以下のNPCも混ざっているようです。
自由に絡んでください。
・島岡 雪乃:おろおろしています。多数の男性に狙われているようです。花柄のビキニ。
・相原 まゆ:半分ヤケクソながら、ヤル気です。なぜかスクール水着。
・桐島 義弘:どうしたらいいか分からず、固まっています。イチゴ柄のブーメランパンツ。
それでは、ビーチで思う存分ピーチを狩ってください。
ご参加お待ちしています。