あなたはねこねこ団を知っているだろうか?
寝子島高校の中で、『とある活動』をしている集団のことだ。
とても牧歌的な名称だが、この集団の実態はその印象とは少々異なるかもしれない。
ねこねこ団の『とある活動』に心酔するファンが存在する一方で、快く思わない人たちからは「迷惑者」「ならず者」のように扱われている。
さらに、「部分的には評価している」とする者もいれば、「もっとこうした方がいい」とアドバイスをしたがっている生徒もいる。
寝子島高校の生徒たちの中で、ねこねこ団への評価は、いくつもの層をなしているのだ。
そもそもの発端から見ていこう。
はじまりは、とある朝だった。
寝子島高校のすべての教室の黒板に「ホワイトボード」という文字がデカデカと書かれていた。
もちろん、黒板はホワイトボードではない。間違っている。
この時は、誰もが単なるイタズラだと思った。消せば済むということでそれほど大きな問題にはならなかった。
だが、また別の朝。
今度は校庭に白線で「ヘリポート」と書かれる事件があった。もちろん校庭がヘリポートとして使われることなどない。間違っている。
これ以降、類似した『イタズラ』が徐々に増えていく。
体育倉庫内の跳び箱にマジックで「家賃1万」と落書きしてあったり。
多くの生徒の下駄箱の中に「画鋲」「ゴキブリ」「カエル」などと書かれたメモ紙が入れられていたり。
様々な『イタズラ』が寝子島高校内で頻発した。
中には、校舎の屋上のフェンス際に靴を置き、さらにはその下の昇降口あたりに赤い絵の具が撒き散らされるという、極めて不謹慎な『イタズラ』もあった。
ここまできて、いよいよ、何かしらの意志をもってこれらのイタズラを仕掛ける存在を認識し始めた。
風の噂で、その存在はねこねこ団という名前であると知れ渡った。
ねこねこ団とは何者だろう?
『イタズラ』をする動機は何だろう?
生徒たちは首を傾げた。
そして今日、昇降口の近くにある掲示板に、一枚のプリントが貼られていた。
ファンシーなネコのイラストがあしらわれた紙に記された文面は、ごく短いものだった。
我らは、寝子島高校の日常をちょっと刺激的にするゲリラアーティスト集団『ねこねこ団』である。
アートとは、今まで当たり前だったものの存在を改めて問う力のことだ。
寝子島高校のすべてを刺激的に問い直すべく、我々は今日も動く。
これを見た生徒たちは大きく揺れた。
まず、今までのイタズラが「アート作品」のつもりだったのかという驚き。
そして、その驚きを飲み込んだ上で、自分はどう考えるかという判断を迫られた。
おそらく、今日もまたどこかでねこねこ団は動くはずだ。
彼らは『寝子島高校のすべて』を手にかけると宣言していた。
まだ校内で「ねこねこ団」が手をつけてないのは——「体育館」「学食」「自転車置き場」の三箇所だ。今日、ここに現れる可能性が高そうだ。
この『ねこねこ団』事件に興味を抱いた生徒たちは、それぞれの目的意識で立ち上がった——。
はじめまして。リルカです。
初のシナリオということで、めっちゃ頑張ります。よろしくお願いします!
さて、今回は「謎のアーティスト集団が現れた!」というお話です。
プレイヤーの皆様には、この『ねこねこ団』にどのように対処するかを決めていただきます。
まず前提として、「ねこねこ団」に対して肯定派/否定派/中立派のどれかを表明してください。
もちろん、たとえば肯定派の中にも「ねこねこ団の大ファン」であったり「表現は自由だから仕方ない」という温度差があるかと思いますので、そのあたりの温度感も明記していただけると助かります。
次に、「ねこねこ団」が現れるだろうと思われる「体育館」「学食」「自転車置き場」の三つから、どこに行くかを決めていただきます。
基本的にはひとつを選んでください。複数箇所に顔を出すのも可ですが、そのぶん描写は薄くなりますのでご了承ください。
最後に、行った先で「ねこねこ団」に遭遇したらどのような行動を起こすのかを書いてください。
整理すると、
①「ねこねこ団」の活動についてどう思うか?(肯定/否定/中立)
②「体育館」「学食」「自転車置き場」のどこに行くか?
③「ねこねこ団」に遭遇したらどのような行動を取るか?
です。
③はできるだけ自由に書いてもらえればと思ってます!
アクションはできる限り忠実に取り入れていきたいと思っています。
参加のほど、よろしくお願いします!