ここは無寝子島(むねこじま)。
無機質な政府が支配する、無機質な人々で溢れた無機質ワールド。
行き交う人々に笑顔はなく、みな無機質な表情で無機質なビルに吸い込まれていく。
机の上にはお茶もお菓子もなく、無機質な会議でのみ言葉を発し、無機質に時間が過ぎていく。
「おやつの時間だにー」
無機質なビルの中を、
七音 侑が窓からのぞいていた。
時計が午後3時を告げると、無機質社員たちがみな席を立つ。
しかし彼らが口にするのは、おやつではなく色味のないサプリメントのみだった。
「うーん、ここもすっかり無機質化されてるにー」
侑はビルの中の無機質社員と目が合うと、にっこり笑う。
ほら、食べる? おいしいにー♪
とチョコ菓子のパッキーやらキャンディーやらを窓越しに見せてやる。
と、突然鳴り響く警報音。
ビービービー!
一斉に振り向く無機質な人々。
みんなの視線は侑に、いや、侑の持つお菓子に!
そして、無機質警備隊の車がサイレンを鳴らして集まり、警報音ととも放送される。
『お菓子所有者発見。お菓子所有者発見!』
「ぎゃー! ばれたにー!」
侑はあっというまに無機質警備隊に取り囲まれていき、
あとから現れたのは、無機質警備隊長かつ無寝子島の町長、リッカルド。
彼が無線を手に指示を出していく。
『ただちに無機質化に入る。無機質銃を構えよ』
彼らは無機質銃と呼ばれるものを構えて、侑に照準をあわせる。
喰らうと無機質になるのだろう。もうお菓子をほしいと思うこともなくなってしまうのだろう。
お菓子のイラストもアイテムも、すべてが過去のものとなることだろう……。
哀れ、七音 侑!
らっかみ!4周年を目前にして、まさかのキャラ崩壊か!「ん?」
そのときだった。
侑の足下のマンホールがパカッとあくと、ぞろぞろと仲間たちが現れた。
「七音くん、顔色悪いね。甘いもの食べてる?」
神野 マキナが羊羹をもぐもぐ食べながら、
チョコの剣を肩に乗せている。
「もう大丈夫。助けにきましたよ~」
八葉 るちるが
アップルパイの杖をエイッと高々と掲げる。
「まったく、戦士が武器を忘れてどうするんじゃ!」
夏神 零は
みたらし団子の棍棒をぶんぶん振り回す。
侑は零から愛用の武器を受け取った。
その名も、
金平糖マシンガン。
すかさず金平糖タンクを背負って、臨戦態勢。
四人揃って背中合わせになって、いざ勝負!
「くらえーーーっ!!!!」
侑が放つ金平糖は、周囲の無機質警備隊の顔という顔、口という口に飛んでいく。
「お、おいしい~」
次々と無機質化が解けていく隊員たち。
しかし、倒しても倒しても現れる無機質警備隊。
「敵が多すぎるね」
「仲間をもっと呼んできた方がいいですね」
「今日のところは退散じゃな」
侑と仲間達はマンホールから地下に消えた。
そう、無機質政府の支配を免れ、楽しい寝子島を取り戻すために抗う
“革命オカシ団”の地下アジトに。
さあ、
“革命オカシ戦士”よ、今こそお菓子を武器に立ち上がるのだ!!!
ごきげんよう。水月 鏡花です。
何もかも無機質でつまらないこの世界、お菓子の力で自由を取り戻しましょう。
無機質警備隊や町の人としての参加も歓迎です。
要は、入り乱れて楽しみましょう、ということで。
◆舞台説明
謎の平行世界の寝子島ならぬ無寝子島(むねこじま)が舞台です。
基本的な配置などは、元の寝子島と同じです。
ひとつひとつが灰色で、無機質で、色味も楽しさもない雰囲気になっています。
ほとんどの人が無機質化されてしまっています。
無機質警備隊は、シーサイドタウン駅の駅ビルmiaoならぬmukishiとその周辺にいます。
警備隊長かつ町長でもあるリッカルドは、駅ビルmukishiの最上階にいます。
リッカルドが暴走して島を動かしているようなので、彼を倒せば事態が一気に好転します。
革命オカシ団は、彼を倒すのが当面の(今回のシナリオの)目標です。
その他、この世界にあいそうで面白そうな設定があれば盛りこんでしまってください。
できる範囲で採用しながら物語を進めていきます。
◆PCの設定と武器
基本的には、皆さんは革命オカシ戦士です。
既に無機質化された町の人、あるいは無機質警備隊隊員という設定でもオーケーです。
上記以外でもあり得そうな設定であれば可能です。(サンプルアクション参照)
革命オカシ団の団長は、焼きプリン砲を武器に戦う白沢 絢子。
この世界では「ダイエットと無機質警備隊は敵!」というのが信条です。
革命オカシ戦士は、好きなお菓子を武器にして戦ってください。
お菓子の種類や味、武器の種類や形状をわかりやすく書いてください。マスターにお任せでもいいです。
説明に商品名が出てくる場合は、伏せ字にしないでそのまま書いてください。伏せ字だとわからないので。
武器はなんでもいいですが、他の人の活躍を奪ってしまうような強すぎる武器は調整させてもらいます。
無機質化された町の人は、無機質に感情の起伏の少ない生活を送っています。
お菓子を食べたいとも思いません。
しかし、お菓子を口にすると無機質化が解けて、普通のお菓子が好きな人に戻ります。
無機質警備隊隊員は、無機質銃を使って警備や見回りをしています。
怪しい人がいたら迷うことなくじゃんじゃん無機質銃をぶっ放してしまう、無機質な心の持ち主です。
ろっこんは、いずれの陣営も使用可能です。
では、お菓子を食べながらお待ちしてます。ポリポリポリ。