ふと気がつくと、
曖浜 鴻は見知らぬ場所にいた。
「……どこだ、ここは?」
ピンと気を張って、訝しむように辺りを見回す。
そこは、どこか近未来的な印象を与える建物の、エントランスホールのようだった。
ドゴッ、ビシッ、と、奥の方から腹の底に響くような音が聞こえる。
鴻は周囲にしかと注意を払いながら、音の方へと足を進めた。
突き当たりは全面ガラス張りになっていて、透明な壁を一枚隔てた向こう側、その眼下には、コロシアムのフィールドのような空間が何面ともなく広がっている。
そのうちの一面で、影を思わせる巨大な化け物と『誰か』が今まさに戦っていた。
影の重たい一撃がフィールドを抉り、鴻は思わず息を飲む。
「何だあの化け物は……すぐに加勢しねぇと」
「その必要はありません、お客様」
背後から聞こえた声に、鴻はバッと振り返った。
「
『ろっこんトレーニングジム』へようこそ! 私は案内人のI-B(アイビー)と申します」
警戒は怠っていなかったはずなのに、と身構える鴻へと、I-Bと名乗った声の主――これもまた近未来的な衣装に身を包んだ若い女性だった――はにっこりと笑いかける。
「あの方は今訓練の最中でございます。シャドウを倒すか、もしくは残念ながらシャドウに倒されてしまった場合も、無事にこちらへ戻ってこられますのでご安心くださいませ」
女性曰く、ここは『もれいびのための修練の場』だという。
そして、ガラスの向こうの化け物はシャドウと呼ばれる訓練用の仮想敵。
フィールドでは、自分が希望するタイプのシャドウと実戦さながらの模擬戦を行うことができるらしい。
なお、ダメージは戦闘終了後にリセットされるので、後のことは気にせず思う存分戦えるのだとか。
「他のお客様との共闘や手合わせも可能です。交流や休息はこちらでどうぞ」
女性は、優雅な所作で鴻から向かって左側の空間を示してみせた。
成る程、そこには清潔な様子の休憩スペースがあり、ご丁寧にドリンクバーまで完備されている。
「すぐに訓練を始めたいという場合は、こちらへ」
言って、女性は今度は右側の通路を示してみせた。
この先が、あのフィールドに通じているのだろう。
「……さて、どうするかねぇ」
選択を迫られて、鴻は顎に手をあてがうと思案げに声を漏らした。
お世話になっております、巴めろと申します。
このページを開いてくださってありがとうございます!
今回は、クリスマスイベントの『サンタさんに手紙を送ろう!』企画より、
曖浜 鴻さんのお願いを担当させていただきました!
(もしこのシナリオにご参加いただける場合、ガイドは一例ですのでご自由にアクションをかけてくださいませ)
なお、お願いの内容にあわせてシナリオタイプ名に『★』がついております。経験値が2倍です!
このシナリオの概要
ふと気がつくと、『ろっこんトレーニングジム』へと導かれていたPC様。
『ろっこんトレーニングジム』はもれいびのための修練の場です。
後述のシャドウ相手に、またはGAの方を相手に、思う存分力をふるってください。
なお、ジムの性質上、基本的に召喚されるのはもれいびの方となりますが、
稀に手違いで、もれいびではない人が迷い込むこともあるようです。
参加に制限はございませんので、このシナリオでやりたいことがあればぜひどうぞ。
また、このシナリオ内でのろっこん修練の過程や結果に関しましては、
ろっこん発動の程度や内容に関して、ある程度の『参考』になるかと思いますが、
あくまでも『参考』であり、今後のろっこん発動の『根拠』になるわけではありません。
他のシナリオでも同じように発動するとは限らないこと、ご注意くださいませ。
フィールドについて
模擬戦を繰り広げるために用意されている広大なフィールドです。
PC様の意思の力でその姿を変化させますので、
「こういう場所で力を試したい!」というご希望があればアクションにてご指定ください。
ご指定がない場合は、だだっ広い空間(足元は固く平らで障害物ナシ)となります。
また、フィールドでは基本的にろっこんを環境の影響を受けずに発動できますが、
敢えて、ろっこんの効果が弱まっている状態で戦ってみたい! というのもOKです。
必要でしたら希望するアイテム(例:剣)なども召喚可能となっております。
なお、ここで負ったダメージは、その結果に関わらず、戦闘終了後に全て回復いたします。
どんな大怪我を負おうが雌雄を決した時点で身体は戦闘前の状態に戻りますが、
疲労感や精神的ダメージまでは拭えませんのでご注意ください。
対戦相手について
基本的にはシャドウと呼ばれる訓練用の仮想敵がお相手を務めさせていただきます。
シャドウの強さや性質、姿などは、PC様が思い描いたものとなります。
ろっこんに目覚めたばかりなので動かない相手にろっこんをぶつける練習をしたい、
空中をふわふわと飛び回る大量のシャドウを的にして、自分の技を磨きたい、
とにかく巨大で強力なシャドウを相手に、自分の力を試したい、
無数に湧いて出るシャドウを相手取って、どこまで自分が戦えるかチャレンジしたい、
……などなど、好みの仮想敵をアクションにてご指定くださいませ。
また、「過去に戦ったあの敵のシャドウと戦いたい!」というようなご希望は今回は採用いたしかねますが、
『斧が武器の偉丈夫で、力自慢だがアツくなりやすいのが欠点』のように、
特徴をご指定いただくことである程度性質の似た相手と対戦することは可能です。
なお、シャドウは言葉を喋りませんが、こちらの言葉は理解するようです。
その他、GAの場合に限って、GAのお相手と共闘したり、模擬戦を行ったりすることもできます。
休憩スペースについて
エントランスホールの左奥、フィールドを見渡せる全面ガラス張りの壁付近に、
広々としていて清潔な休憩スペース(ドリンクバー完備)があります。
修練後に戦いを振り返っていただいてもいいですし、他の参加者様の戦いぶりを眺めることも可能です。
『ろっこんトレーニングジム』の案内人
I-B(アイビー)という謎の女性がジムの案内人を務めています。
エントランスホール~休憩スペースで姿を見かけることができますので、
何かご用がございましたらお声掛けください。
但し、彼女はあくまでも『案内人』に過ぎませんので、質問をされても答えられないこともあるかと思います。
それでは、思う存分腕を奮ってくださいませ。
ご縁がありましたらよろしくお願いいたします!