キウイにみかん、りんご、レモン、いちご、洋梨。
それぞれが、別々の箱に入れられ、キッチンのテーブルに並べられている。
「どれも旬の果物ばかりで、とても美味しそうね」
それらを眺めて、
白沢 絢子は嬉しそうに微笑んで、呟いた。
キウイとみかんは、和歌山の農家に嫁いだ友人から送られて来たものだ。りんごとレモンは近所の人にもらったもので、いちごと洋梨はそれぞれ別の親戚から送られて来た。
「……でも、どれもたくさんあるから、食べきれないわ。腐らせてしまったら、もったいないし」
どうしましょう――と、絢子は思わず溜息をつく。
だが、すぐに。
「そうだわ。……また、前みたいに人を募って、料理を作ればいいわね。そしたら、果物も美味しく食べられるし、楽しいわ」
小さく手を打ってうなずくと、彼女は微笑むのだった。
その翌日。
寝子高の食堂や校舎の掲示板に、募集を呼びかけるポスターが貼られた。
そこには、こんな文面が並んでいる。
『フルーツ三昧の会、開催。
季節のフルーツを使った料理やお菓子を作って、一緒に味わいませんか?
キウイ、みかん、りんご、レモン、いちご、洋梨それぞれを使った料理・お菓子を作りたい方なら、誰でも参加可能です。
開催日時:来週日曜、朝10時より
場所:寝子高家庭科教室
参加費:無料
持参するもの:エプロン
参加申し込みは、白沢 絢子まで』
ポスターを張り終えて職員室に戻り、絢子は一人微笑む。
「今度も、たくさんの人が参加してくれるといいわね。……それに、どんな料理ができるのかも、今から楽しみだわ」
そして、どこかうきうきと、次の授業の準備を始めるのだった。
こんにちわ。マスターの織人文です。
2016年1発目のガイドは、またみなさんと美味しいものを作って食べることから始めたいと思います。
ということで、三昧シリーズ、果物編です。
場所:寝子高家庭科教室
持参するもの:エプロン
絢子が提供する果物:キウイ、みかん、りんご、レモン、いちご、洋梨
上記以外の食材や調味料などは家庭科教室にひととおりそろっています。が、特殊な食材や調味料が必要な場合は、ご持参下さい。
果物の使用に制限はありません(たとえば、キウイとりんごとレモンを使って、タルトを作るなど、数種類の果物を一度に使うのもOKです)。
アクションにはどの果物を使って何を作るかを明記して下さい。
参加に制限はありません。
寝子高の生徒はもちろん、小中学生でも参加可能です。
また、大学生や一般市民の方でもOKです。
出来上がったものは、最後に全員で試食する予定ですが、多く作って持ち帰る、家族・友人などにあげるのもありです。
それでは、みなさまの参加を心よりお待ちしています。