花の様な命であればと、思いました。
花の様に華やかに咲き儚く散る
短い生涯であったなら
酷く惨めで愚かしく醜悪な日々を
嘆きを痛みを過ちを後悔を
積み重ねることもなかっただろう、と。
正体の分からぬ何かに怯え続ける毎日を
終わらせることが出来ただろう、と。
けれど、それではいけないのです。
決してそれではいけないのです。
何故ならこんな私にも
長く、幸福に生きる様にと
願ってくれた人がいるのです。
私が今命を散らせば、その人は
きっと悲しむ事でしょう。
胸を痛める事でしょう。
ならば私は、生きなくてはならないと。
生きていたいと、そう思うのです。
人を好きになった、私の為に。
季節は巡り、春の季節が訪れる。
薄桃色の、ハートが連なった花が咲き
暖かな風に背を押され
其々の心は新たな場所へと旅立っていく。
そうしてその後には、生への活力に満ちた
青々とした緑が茂るのです。
それはなんて愛おしく、美しい変化でありましょう。
時は刻一刻と過ぎ去って
目に映る景色は変わり行く。
けれど、変わらないものもあるのです。
変わらないものが、ありました。
PL
春の一枚をとても良い雰囲気で描いて頂き、感激です。
ぴよこ絵師様、ありがとうございました。