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【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
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● 水族館~少女たちの回想
近年、学校では、バレンタインと言えば手作りの友チョコを贈るのが流行っている。
寝子中の友だちの間でもずいぶんその手のチョコが行き交ったが、
水上 桜
は手間暇をかけず、お徳用チョコを何のひねりもなしで周りの男子や女子に送った。
「あんたのその潔いまでのストレートさがいい」と言った友だちは、ホワイトデーのお返しにとにやにやしながら何のひねりもないお徳用クッキーを返してくれ、「えー、もっと手間をかけなさいよー」と笑いあったのが、今日の午前中。
桜は放課後、友達と誘い合って寄り道をした。
島中でやっているホワイトデーイベントを見逃したくなかったのだ。
「わぁ、想像してたよりずっと綺麗で不思議……」
会場に入るなり、桜は感嘆のため息を漏らした。深海をイメージした暗闇の中、蒼や紫や白やピンクに浮かび上がる海月たちの美しさに、想像力が掻き立てられる。
(あんな色合いのクリスタルガラスを連ねたブレスレットなんて素敵かも……)
ぼんやりと、趣味のアクセサリー作りのアイディアを練っていると、少し先行く友人たちから手招きされた。
「桜! みてこれ」
箸が転んでもおかしい年頃というが、女子中学生たちはまさにその通りで、何を見ても姦しくおしゃべりし、笑いあう。ライトアップされたたくさんの海月の漂う様は幻想的だが、個々にじっくり眺めてみれば、海月と言う名のゼラチン質の浮遊物体は、どうしてこうなったのだろうと思うようなおかしな形をしている。そのことに気づいた女子のお喋りは止まるところを知らない。
「これショボッ!」
「なにこれエイリアン?」
「このクラゲって食べられるかなー」
「醤油と酢、どっちで食べるー?」
「そこは迷わずマヨネーズ!」
くすくす。けらけら。幼さの残る笑い声。脈絡ない上に深海的に落ち着いた雰囲気にそぐわないので、他の客から睨まれる。すると、またお互いを突き合って笑うのが女子中学生という生物の特性だ。
(クラゲといえば……)
この展示と直接関係はないのだが、桜は中学2年の夏に初恋が敗れたのを思い出した。
同じクラスの男子だった。
両想いになったときは嬉しかった。
浮かれ気分で、夏休みに初めて彼とデートした。
が、その男子は寄生虫マニアだったのだ。
(何度思い返してみても、初デートに寄生虫館は、ないわぁ……)
初デートって言うのはもっとこう、甘酸っぱいものを期待してるじゃないですか。寝子島には、観覧車も動物園もあるじゃないですか。にもかかわらず寄生虫館で回虫やら条虫やらを見て延々とマニアックな話を聞かされたのが初デートの想い出って……ちょっぴり泣ける。
ちなみに、その彼は、寝子高芸術科へ進むことになった。寄生虫アートを極めるらしい。
「寄生虫よりクラゲの方がかわいいと思うな」
口に出して呟くと、聞きとめた友人たちが「そりゃそうだ」と笑った。
◇
「中学生、か」
「懐かしいね。私たちもあんな風だったかしら」
雰囲気のある二人連れの女性が、桜たちを横目に見遣る。
白のワンピースにパステルカラーのスプリングコートを羽織っているのは
仙藤 紫
。隣のパンツスタイルの女性は友人の川南由奈だ。
大人びて見えるが紫は卒業間近の高校三年生。四月からは大学生となる。
三年生のこの時期、学校は必ず行かなければならない場所ではない。
進学先が決まっている紫は、一日のんびり過ごそうとベッドに横たわって本を読んでいた。
そこに由奈から電話がかかって来て、開口一番。
「おひとり様女子同士で逆ナンする?」
えぇ? と聞き返すと冗談だったようで、要はイベントがあるんだから遊びに行こう、という。とくに予定があるわけでもなかったのでオーケーしたら、次の瞬間、呼び鈴がなった。由奈ときたら、紫が断るなんて欠片も思っていなかったに違いない。
よそ行きの服を着て、とくに行き先を決めず、駅に向かう。
寝子島駅からねこでんでシーサイドタウンへ。
『海月アクアリウム展』に足を運んだのは、たまたま駅でポスター見たからだ。
(ここに来たのはいい選択だったわ)
美しい深蒼の空間に、紫はしばし言葉を忘れた。
ゆらり、ゆらり、呼吸するかのように海月の傘が開いたり閉じたりする。
時を忘れて見入ってしまう。
ふいに、去年のホワイトデーのことが思い出された。
去年の今日、紫には恋人がいた。またたび市動物園へデートへ行き、そこで彼からブルートルマリンのネックレスと手紙をプレゼントしてもらった。あのときは永遠に関係が続くような気がしていた。
でも――彼とは、夏の終わりに別れた。
永遠はないのだ。
言葉の上では分かっていたけれど、そのことを身を以って知った。そのことはしばし痛みとなって紫のなかに残り、時折古傷のように疼いた。
「なに考えてるの」
由奈に頬を指で突かれる。思ったよりも長い時間、伏し目がちに沈黙していたようだ。
「何でもない」
紫は淡く笑んで誤魔化した。
「あれぇ……サンマさん、サンマさーん!」
子どもの声がして振り返る。
籐籠を持ったサンマさんが、特製白うさぎキャンディを配り歩いている。紫と由奈もキャンディを貰った。近くにいた女子中学生集団も、その中のひとりである桜も。
「サンマさんにも会えるなんて今日はすごい良い日だねぇ」
曖浜 瑠樹
は嬉しそうに笑ってサンマさんに抱きついた。動物園でマンボウくんに会ったあと、水族館も見に来たのだ。のんびりしているように見えて、意外と行動力のある男子である。キャンディも、マンボウくんに貰ったのと同じでふたつめであったが、瑠樹は気にせず喜んだ。
「ありがとなぁ。サンマさんは今日も格好良くて和むなぁ……!」
「へっ、それほどでも……あるよな!」
そんなやりとりを見ていると、紫も桜も、過去の恋の思い出はどこかへ行き、不思議と心が安らいでくる。瑠樹のろっこん<ゆるゆる和みと恩恵の輪>のためだ。今日は瑠樹が和むようなゆるキャラや可愛いものがいっぱいで、あちらへ行ってもこちらへ行っても、みんなを和ませている瑠樹である。
「サンマさん、記念に一緒に写真撮りたいけど、いいかねぇ?」
「おうともさ!」
ポーズを決めるサンマさんと自分の顔が映るように子供用カメラを構え、自撮りする。サンマさんの全身は入らないが、凛々しい眉毛と円らな瞳が入ればいいことにしよう。
サンマさんは去って行った。
瑠樹は水槽に張り付くようにして海月を眺める。
「こっちはクラゲがゆらゆらだねぇ?」
ゆらゆら真っ白、とても綺麗だ。
「クラゲさんも楽しめてるかなぁ?」
瑠樹のひとりごとに、紫と桜は思わず答えた。
「楽しいに違いないわ」
「楽しいよ」
紫と桜は顔を見合わせる。同時に、同じようなことを言ってしまった偶然に驚いたのだ。
瑠樹だけが悠然とふたりを見上げてにっこりする。
「お姉さんたち、クラゲさんの気持ち、教えてくれてありがとなぁ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
42人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月25日
参加申し込みの期限
2017年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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