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(やっぱり、綺麗で……それに強い歌だ)
けれどその世界に惹き込まれるまでには至らず、頭の芯だけはいやに冷めている。
(なんだか……焦ってるように聞こえるんだけどな。頑張りすぎてるっていうか)
それでもなお、彼の歌にヒステリックさはない。あくまでも強く、ただ強い。
(詳しい事情とか、思いとかそういうものは知らないけど……この強さは、俺にはない強さだ)
アカリは助けを乞うようにロベルトへと視線を移す。と、胡桃色の瞳から涙が睫毛を揺らして零れ落ちるその瞬間が目に入ってしまった。
(ロベルト先輩、泣いてる?)
理由は獅子目としか考えられなかった。彼の歌を聞いて、ロベルトは心を揺さぶられた。
(それだけ獅子目の歌が強い、ってことだよな。先輩の心を動かすくらいに。
それに比べると……俺には何もないみたいだ。
俺は恵まれた環境で生きてる、そうは思うけど……ううん、だからこそ。
俺じゃ、獅子目には勝てない気がするんだ)
視界がぼやける。思わず胸を押さえるが、胸の奥が焼けるような、ひりつく痛みがこびりついて拭えなかった。
ロベルトはアカリの変化に気が付くことはなく、いつの間にか首をもたげ獅子目を一心に見つめている。先輩の切なく歪んだ眉を見て、一際大きな得体の知れない感情がアカリに襲いかかった。
(先輩は隣にいるのに、すごく遠いみたいだ……)
鈍く胸が抉られる。ポッカリと開いた穴に入り込んでくるのは、どこからか迷い込んだ隙間風と獅子目のどこまでも強く綺麗な歌声だ。
鼓動さえも痛みでしかない。手の甲をかすめる雪の結晶さえも。
痛みを堪えて睨みつけるに目を細めると、ぽとん、と水滴が手の甲へ垂れた。
(あれ、俺も……泣いてる?)
ロベルトに悟られぬよう慌てて涙を拭い、嗚咽を飲み込んだ。
手の甲の雪の結晶も振り払おうとするが、触れて気が付く。それは雪ではなくチョコレートだ。
何気なく、口の中へ放り込む。
甘い。たまらなく甘い。その甘さが温かく胸の奥へとしみわたる。
落ち着きを取り戻し、そろそろ声を掛けるなり帰るなりした方がいいのではないかとふたりが顔を見合わせたそのときだった。
「……ふたりとも何をしているんだ」
獅子目の批難するような声が背に刺さった。
「……あはは、気付かれちゃったね」
ロベルトは誤魔化すように明るく振る舞うが、獅子目の視線は一層じっとりと不満を帯びていく。
「まさか最初から?」
声を掛けずにいた手前、ただただ笑うことしかできないらしい。そんな先輩の姿を、アカリはじっと見据える。
「……聞かせられるようなものじゃなかっただろう」
「そんなことないよ! 素晴らしかった」
「……ふん」
無愛想にそっぽを向く獅子目を睨みつけると、獅子目は「なんだよ」といつものように喧嘩を吹っかけてきた。
アカリは獅子目を軽くあしらい、一通り言い合いが終わったところでロベルトが声を掛けてきた。
「帰ろっか。……来島、獅子目と一緒で大丈夫かい?」
「……はい、一緒で大丈夫です」
ふたりきりでない。そう思うと肩から力が抜け、安堵する。けれど同時に再び薄暗い疼きが胸に湧いた。
アカリの気持ちが追いつかないまま、三人は帰路についた。
「あ!」
「いきなり、どうした」
「これ、見てよ」
道中突然ロベルトが声を上げたかと思えば、掌を手品のようにぱっと開く。そこにあったのは水晶のように変化した雪の結晶だった。
「こうやって形になっても獅子目の歌は本人に負けず劣らず美しいね……。
飾っておきたいな。紐を通して鞄につけても良さそうだね」
自慢げに見せびらかす雪は、たしかに美しかった。照れているのか本気で怒っているのか、真っ赤になる獅子目も綺麗な部類に入るだろう。
けれどアカリの心を占めるのは、そのどちらでもなく、だからといってロベルトのことでもなく。
(先輩のは水晶になって、俺のはお菓子になって、何が違ったんだろう?)
その答えに気が付かないよう祈り、アカリは白い息を吐く。
新たに生まれた雪の華は、宛転として舞い踊り、暗い空へと溶けていった。
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あとがき
担当マスター:
つるこ。
ファンレターはマスターページから!
ご参加くださった皆様、ご閲覧くださった皆様ありがとうございました。
下記ネタバレらしいものはあまりありませんが、雪の結晶から変化する場合の条件についても書いています。
本編の後にご確認いただければ幸いです。
さて皆さんはいかがでしたか?
ハッピーな方も、まだハッピーでない方も、少しでもより幸せになれたらいいなと思って執筆してみました。
悩み葛藤妬み嫉み不幸シガラミその他もろもろひゃっほーいなんてこれっぽっちも思ってません。
でも甘いものが苦手な人には申し訳ないと思ってます。きっとハッカ飴があなたの味方になってくれます。
皆で幸せになりましょう。
ごめんなさい、私は今、とても眠たいです。
とりあえず雪の結晶の変化の条件だけは書き出しておきます。
満たされた涙を流したのなら、そのまま永遠に満たされていたいよね。はい結晶化。
心に隙間がある悲しみの涙を流したのなら、まずはそこを満たしてほしいね。はいお菓子化。
以上です。
ありがとうございました。
またご縁があればよろしくお願いいたします。
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担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月07日
参加申し込みの期限
2016年11月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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