天に向かい高く手を組み合わせ祈る少女。
天使と見紛う清らかな表情を清浄な月光が照らす。
月光に冴えた水面に揺蕩う極彩色の花弁、少女の裸の爪先が水をかき分けるたび漣が立ち、再び波紋が収斂していく。
長い睫毛を伏せて瞠目し、無心に祈りを捧げる少女の姿は一幅の宗教画にも似て、聖域にあるかの如く神秘的な空気を纏う。
誰知ろう、妖精の泉にたたずむ青薔薇の少女の胸の裡を。
誰知ろう、青薔薇の少女の秘めたる恋情を。
月光に浄められ昇天していく祈りを見送り、少女は小さく吐息をつき、固く組んだ十指をゆるやかに解いてたらす。
毒と棘があるから薔薇は美しい。
ならば青薔薇は?
存在自体が奇跡と称えられる希少な青薔薇は、外敵から身を守るためいや増しの毒と棘で武装する。
孵化する前の雛鳥が世界を拒んで固い殻で自らを覆うように、彼女はその脆く壊れやすい魂を毒の棘で武装する。
「………どうか、叶いますように」
少女の望みはわからない。
だがその願いが狂気に染まるほど純粋なものである証拠に、月を見上げる少女の瞳は一途に哀切な色を宿している。
少女の願いが叶うか否か。
それは誰にも、そう、少女自身にすらわからない。
>勘助
…ありがと…。
…貴方も、何か…願い事、してみる…?
>ミラベルさん
…うん…。…ここは、特別な…場所、だから…。
…実は、私も…妖精、なんだよ…?
…そこにいる…兎の、エミリーも、ね…。
わ…。凄いね。圧巻…。
凄く、幻想的。花風さんも…、妖精さん?
…………綺麗、だな【ポツリ】
この泉には妖精達が住んでいて、泉に浸って祈れば願いが叶う。
全部私の創り噺だけど嘘も信じ続ければ
いつかは本当になる気がするの。
ねぇ、妖精達に月の女神様。
少しだけ力を貸して欲しいの。
泉に薔薇を浮かべて祈りを捧げる。
私と私の愛しい人全てが幸福を手にできます様に。
青い薔薇の様な奇跡と祝福を願う。
PL
海李絵師様が窓空けされてるのを見て
慌ててらっぽ補充した背後でした。
綺麗!幻想的!
素敵なイラストを描いて下さった
海李絵師様に心からの感謝を!
また宜しくお願い致します(・・*
>玄
……!?
(声にびくっと振り返り)
…いや、私…。
…目立つ、為に…ここに、いるわけじゃ…。
…取り敢えず…服を、着なさい…!
…話は、それから…!
……泉の、雰囲気が…台無し……。
(溜息をつき、拗ねた表情をする)
その目立つポジション、僕の立ち位置ですよ!(マテ