>サキリ君
ふふーん! クレイモアっていいですよねー
力加減、なかなか難しいですねー、特に大剣だと。
刃物の素晴らしさ、かー。
包丁とかメスなら扱いに慣れてますよー!
切るっていう行為そのものには、慣れませんけどー。
クレイモアか、良い得物だね
僕も振り回してみたいよ…羨ましい。
屋敷野も刃物の素晴らしさに目覚めてくれたのかな。
『一撃』
薄暗い城内に、醜悪なゴブリン達が不快な匂いを充満させていた。
「自分の匂いは分からないって言いますけどねー」
梢は手にした大剣を下段に構える。
「に、してもです。お互いの耐えがたい腐臭には気付きそうなものです。
ていうか気付くとかいうレベルじゃ無いですし。
あー、鼻がマヒしちゃってるんですかね? 潰れちゃってるんですかね?」
ゴブリン達は口から泡を飛ばしながら、叫び、怒声を発する。
言葉が通じるとも思えぬが、悪口を言われているのは分かるのだろう。
数匹が雄叫びを上げながら突進してきた。
「臭い物は纏めて掃除しないと、ですね」
梢も歩を早めた。
剣の切っ先が石床に触れ、火花を発する。
柄を握る両手に力を込めると、全身を捻って振り上げた刀身を叩きつけた。
先頭のゴブリンが「ブエッ」と声を漏らし、仲間を巻き添えに吹っ飛ぶ。
ゴブリン達が怯んだ。
「この辺、生ゴミの日はいつなんでしょう? 回収し切れると良いんですけど」
大剣を担ぎ、這いずるゴブリンを見下ろした梢が、笑みを零した。
クレイモア…両手剣ながら俊敏な動きを可能にした剣!
私にピッタリじゃないですかー。
ちょーど、前に出たいって思ってた所なんですよね。
星の力、最大限に活用させてもらいますよー!