『降臨』 -2-
「やはり無理ですか、気品溢れる出で立ちと、高貴なオーラが。どうしてもっ」
仮面の男は首を振る。
「どうしてもっ、衆目を集めてしまう」
勇気あるツッコミは華麗にスルーされた。
仮面の男は歩を進め、懐からスマホを取り出すと、優雅な動作で一回転した。
「っ! 情報に間違いは無かったようですね。捕らえましたよレアなアレの影を」
一人悦に入る仮面の男。
周囲の人々の想いは一つ。
「「お前もかよ……」」
頭上に『ぺ』を頂く天使もハマる。
ネコモンGOっ!
早速君もっ、ダウンロードだ!
『降臨』 -1-
容赦無く照りつける太陽。
アスファルトから立ち昇る陽炎。
押し寄せる人、人、人。
澄みきった青空がこんなにも憎らしく感じる。
脳ミソがゆで上がるかの様な暑さの中、何の前触れも無く、土煙と共に雷鳴が轟いた。
滑り台と砂場があるのみの小さな公園で、大気が震える。
何故かスマホ片手に集っていた複数人の視線が一点に向けられる。
と、薄らいだ土煙を全て払う様に、白い翼が現れた。
美しい羽根を広げ、姿を現した男を指差し、群衆がざわめく。
「羽根だ…」
「黒マントだ…」
「黒スーツに黒ネクタイって…」
「仮面被ってんぞ?」
「なんか頭に乗せてるし!」
「暑苦しいわー。見るだけで暑苦しいわー」
「ダメよ幸子。見ちゃダメッ!」
「頭乗ってるの『ぺ』じゃね? 出落ちか? ツッコミ待ちか?!」
皆慣れて来たのか、段々と容赦無くなってくる。
当の本人、仮面の男は涼しい顔で辺りを見渡すと、満足げに頷く。
「早速、注目を浴びてしまいましたね。お忍びで来たと言うのに、嘆かわしい」
「いや、忍ぶ気ねーだろっ!」
若い男が勇気あるツッコミを放つ!
遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!
皆が待ってたお茶の間のヒーローが、ついに寝子島にやってきましたよ!
はい、皆さん、拍手ー
俺が来たからには、もう安心ですよ。
寝子島の平和は俺が守ります(ぐぐっ
>ぺいゆ絵師
想定以上に、頭に「ぺ」が付く天使でしたw
素敵にカッコイイ全身絵を描いていただき、ありがとうございました!
気に入りましたよ(ぐぐっ