◆ももんがの冒険 5
猟師さんの家でしばらく遊んだももんがは、お土産に抱えきれないほどのお菓子をもらいました。
外に出ると辺りはもう暗くなっており、ひんやりとした風がももんがを包みます。
ももんがが空を見上げると、ひらりと白く冷たいものがほっぺに落ちて来ました。
「つめたっ……! 雪だ……もう冬なんだなあ」
これからぐっと寒くなり、旅の道のりはますます厳しいものになるでしょう。
でも、願いを叶えるためにももんがは止まるわけにはいかないのです。
シャンシャンシャン……
遠くから何か鈴のような音が聞こえてきました。
「なんだろう……えっ、何あれ?」
鹿のような動物がそりを引き、そりの上には人間が乗っていて、空を飛んでる……?
ももんがにとっては初めて見る光景で、その正体すらも想像がつきません。
でも、なんだか心がほわっと温かくなる感覚がします。
「……不思議だなあ」
ももんがはいつまでも夜空を見上げていました。
手の中のお菓子の重さが少し増えたことには気付かないまま。