最初見た時、思わず息を呑んだ。
雰囲気も優艶でまさにイメージどおりだ。
自分はハイヒールなんざ履いた事はねぇが、デザインは気に入っている。呉井しかり。
窓から差し込む光加減と二人の心境の対比など色々考えさせられた。
また個人的に眼鏡チェーン有にしておいて良かった。
あの発注文からここまで仕上げてもらい嬉しく思う。
ナド絵師には礼を言うぜ。また誘いに乗った呉井と情景豊かなSSを書いた常盤にも感謝の意を。
PL:
どこを見ても描き込みが細かくて、ハイヒールのデザインも美しくて震えました。
刺繍もさりげないのに華やかさがあり、ヴァイオリンも年代物の貫禄を感じさせる雰囲気で、
指先もつま先も綺麗で、何度見ても凄いしか言えません。
絵師様、素敵なイラストを描いて下さってありがとうございます!
誘って下さった神嶋君のPLさん、SSを書いて下さった常盤さんのPLさんにも感謝です。
また機会がありましたら、よろしくお願いします!
斜に傾いだ月光が凄烈に暴くのは、高価な調度に囲まれた部屋の中、長椅子に腰掛けた好対照の青年と少年
一対の影絵のように、鳥籠に幽閉されたつがいの金糸雀のように。
最高級の生地に錦糸で刺繍を施した長袍、されど衣装の豪奢さに素材は見劣りしない。
手間と大枚を注いで磨き立てた肢体の優美さ、纏足じみたハイヒールが引き立てるしなやかな脚線美、退廃たゆたう夜の闇の中でこそ馥郁と匂いたつ妖艶な色香は十分好事家の寵愛に値する
蒼髪の青年が緩慢な動作で足を組みかえ、反対の足を少年と絡める
少年もまた透明な諦観を宿した無表情で青年と足を絡め、もう片方のつま先をつい、と挑発的に掲げてみせる
脱皮する蛇さながらのゆるやかさとしなやかさで互いの脚線をなぞれば、靴に付いた飾り紐がしゃらんと揺れる
金糸雀の羽繕いを思わせる淫靡な前戯
互い違いに拘束し合うように扇情的な動きで足と足を絡め合い、底の見えない目を見交わす
憂いを帯びた目を伏せ、少年が小さく呟く
「……こんな靴じゃどこへも行けない」
「なら捨てればいいじゃねえか」
自信に満ちた断言に、少年の顔に一筋希望の射す。
支配への反抗と自由への渇望と
纏足の金糸雀が夜空へ羽ばたく日は近い…