ももんがさんへ
助けてくれて有難う。
冒険について行きたかったけど、罠に挟まれた傷が治るまでは飛んだり跳ねたりは無理なんだ。
だからここでお別れだ。ももんがさんの旅が上手くいくことを願っているよ。
きつねより
◆ももんがの冒険 2
森の中を進んでいると、誰かが倒れているのが目に入りました。
近づいてみるとどうやら一匹の狐さんが小動物捕獲用の罠に掛かっているようでした。
「大変!今助けるからね!」
ももんがは狐さんのフワフワモフモフのしっぽに飛びつきたくなるのをぐっとこらえて、罠を外しに掛かりました。
幸い自分も掛かったことがあるタイプの罠だったので、手持ちの道具で外せそうです。
なんとか罠を外した後、ももんがは狐さんに持っていた水筒を渡して水を飲ませてあげました。
「助けてくれてありがとう。お礼にこれをあげるよ」
狐さんはももんがに山吹色に輝くお菓子をくれました。
「これは『らっぽ』っていうんだ。旅をするならきっと役に立つよ」
「うわあ、キラキラしてて綺麗だなー!食べていい?」
「食べてもいいけど、貴重な品だから無駄遣いしないようにな」
狐さんはももんがにらっぽの使い方を教えてくれました。
この世界に住む人達はみんならっぽが大好きで、食べる以外にも様々な使い道があるようです。
『らっぽは大事』ももんがはひとつ覚えました。