こっちだよって声がきこえるから、
あさひがふたりをつれてくんだよ、まいごにならないように、って。
だからしっかり手をつないでてね?
あのね、つないだ手がね、おんなじあったかさなの、うれしいねぇ。
まるで誰かの夢の中を歩いてるみたいな、そんな光景。
だけどこうして握り合った手は、どんな鮮やかなものよりもずっと確か。
行き?帰り?
どっちだって、どこかに向かってるのには変わりないんじゃない?
楽しみましょうよ。
もうしばらくこうして歩いてたいの。
無限と見紛ふ幽玄の、鳥居連なる石畳
夢幻と思しき有限の、くれなゐ重なる白の路
こはいづかたへと誰が問へば、稲荷に果てむと応ふるものぞ
いと妖しけれ、くるめかれ、今し詣らむと訪れし
舞ふは六つ花四つ身の狐
風切り藍夜にいづる白影
清げなるも麗に咲くは繚乱の
即、雪と、月と、花と織り成す三人娘は何心無し
歩みすらも興じ、ときに手を取り、心地惑ふも愉しげに語らふ
お稲荷サンにゃタイガイ失礼なハナシかも知れんけど。
今は「今」ってコトさえしっかり持てりゃー充分じゃねって思う。
まー…心配要らねーか。なんか楽しそーにしてっし。
トコロでオメーらさ。コレって行くトコだっけ。ソレとも…帰んだっけ。