百年の眠りにつきましょう、ただ心安らかに。
そう、醒めない夢を望んだのは私。
あなたに呪いをかけましょう、永遠の呪いを。
私を手にして、けれども私の心を永遠に手にすることがないように。
永遠に、飽くことがないように。
目を閉じましょう、甘い、甘い香りの中で。
……ほんと、悪い人よね。私の好きな人は。
あたしが誰かって? べつに誰だって構いやしない。
糸つむぎ? 二番目の女神? 八番目の仙女? 十三番目の…魔女?
どれでも好きなので呼ぶがいいさ。…そうはいかない? めんどくさいね。
なら………『日蝕み』。そんなようなものだと思え。
だってご覧よこの娘を。まるで太陽がヘリオトロープを着ているよう。
あたしはこの娘に呪いをかけた。百年眠る薔薇の呪いを。
http://rakkami.com/illust/detail/6682
なぜって? この娘はあたしに薔薇をくれた。真っ赤に燃える薔薇の花を。
http://rakkami.com/illust/detail/6684
他にナニカ理由が必要なのか? この娘を独り占めにするのに。
たとえそれが美の粋を穢す所業であれ…どうしても、欲しかったから。
百代の眠りから醒めし折、千歳の瞬き――その見果てぬ悠久の彼方にさえ。
おまえに恋し、愛すことこそ我が呪いの本懐なれば。
…ってね。