「ねえパパ?」
ぬいぐるみを胸に抱きしめながら上目づかいにネミッサが呼びかけると、ニコは困った顔をしてしゃがみこんで彼女に目線を合わせた。
「ネミッサちゃん、その誤解を招く呼び方、できたら変えて欲しいなーって思うんだけど…」
「あらごめんなさい、ミスタ・ライニオ」
少女の方はあっさりとしたもので、明らかにこちらの反応を楽しんでいる風だ。
――子供らしい、ささやかないたずら。
この子が大人になったなら、その時は今よりもっと、素敵な淑女(レディ)になるのだろうな、とニコは思う。
――たとえば、愛らしい笑顔と可愛らしい言葉で、男たちを魅了しつつも翻弄するような。
今だってしっかり振り回されているけれど、それはそれで光栄という気もする。
「今日はヒモのお仕事はお休みなのかしら?」
――的確なくらいぐっさりと言葉で突き刺してくるのは勘弁して欲しいけれども。
※疑惑は疑惑
(PL:ほのぼの可愛いアイコンをありがとうございました!ネミッサちゃんもご一緒いただきありがとうございます!)