「くそっ!」
拳に爆ぜる鈍い衝撃。
窓ガラスを伝う雨滴が透明な軌跡を描く向こう側、悔しさに顔を歪めた少年が自分の無力を呪って何度も拳を振り上げる。
「くそっ、くそっ……なんでだよ畜ッ生!」
口汚く毒づきつつ何度も窓硝子を殴りつける。
その都度手の甲が傷ついて赤く腫れるのもお構いなしに溶岩流の如く腹の底で渦巻きこみ上げる灼熱の激情を吐露する。
後悔したって遅い、そんな事自分が一番よくわかってる。
生憎こちとら殊勝に反省できるほど頭がよくない、繰り返し苛む自責の念、目を瞑ればあの時の情景がまざまざと甦って理性が焼き切れそうになる。
苛烈に燃え立つ緑の目で窓を伝う無数の水滴を睨みつける。
小刻みに震える拳を握りこみ振り上げて、やがてそれを力なく下ろしずり落ちる。
「ああ……知ってたよ、畜生。俺は馬鹿だって。無力だって」
でも、助けたいと思った。
助けたいと願っちまったんだ。
それがそんなに悪い事かよ?
下唇をきつく噛み縛りくぐもる嗚咽を殺し、膝をついた床を殴る。
窓に映った横顔は痛々しい程憔悴の色濃く、ガラスを隔てた雨の滴が涙の代わりに頬を伝い落ちる。
虚像の頬を濡らす偽りの涙は、どこへともなく吸い込まれて消えていく……
(雨音だけが聞こえる静かな室内
失敗した事を思い返して、眉根を寄せて
くそっ・・・と小さく呻いて窓の外を睨み)
✂------------------キリトリ線-------------------
【PLから絵師さまへ】
PL的に発注内容が好みだけの考えなしな注文だった為
PCとしてのネタが思いつかず、コメ入力のための背景を
考えようとしても厨二的な内容しか浮ばず、恥ずかしさに
くっ、と唸るばかりで・・・結果、諦めました。
こんなにも時間をかけてしまったのに申し訳ありません。
そんな無茶ぶりな発注にも拘らずとても素敵に格好良く
描いてくださり本当にありがとうございました。
イラストはとても気に入っていて、見るたびにニヤニヤ
してしまいます。
いつかイラストに見合った素敵な行動が書けたらと
精進したいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
またの機会にはぜひともよろしくお願い致します。