瓶の中にはカラフルなマカロン。
媚薬より甘く危険な女王のお菓子。
「このマカロンはあげないよ。食べたらなくなってしまうからね」
均整とれたスレンダーな肢体に纏うのは黒に限りなく近い藍色のドレス、コルセットで締め上げた腰は妖艶に括れ背中にリボンを結んでいる。
彼女はお菓子の国の女王様、色恋沙汰には興味なし、甘いお菓子がなにより大好き。
引きも切らない求婚者には見向きもせず、今日も今日とてティータイムに大好物を賞味する。
「うん、おいしい。これはあたりだ」
チョーカーで飾り立てた喉がこくんと上下、貴公子のように端正な顔に満ち足りた笑みが浮かぶ。
「ほかにも色々あるよ。ストロベリー、チョコレート、レモン、抹茶……これはなんだっけ?まあいっか」
すこぶるご機嫌にマカロンをぱくつく女王、もう一個あと一個とご満悦の態で口にほうりこむ。
この国のお菓子はすべて女王への献上品。
とくに一流の菓子職人が一つ一つ丁寧に焼き上げたマカロンは、パステルカラーの宝石と呼ばれ女王を夢中にさせている。
「あ、なくなっちゃった。もう一瓶、ううん百瓶追加して。まてよ、けちけちせずに世界中のマカロンを集めてこいって命じたほうがいいかな?」
―禁断の果実は甘い―
(PL:かなり曖昧かつ投げっぱなしな発注文でしたが、仄かな色気のある素敵なイラストにして頂きありがとうございました!
思いつきで付けたイラストタイトルも絵に取り込んで貰えていておおっ!となりました。
今回は本当にありがとうございました!!!)