〇月×日
姪っ子と動物園に行った。
なんで俺がガキのお守りなんか……ったく貧乏くじだぜ
まあ仕事が干上がって暇を持て余してたし、夏休みどこにもつれてってもらえねーんじゃさすがに可哀想だしな。
連日の猛暑のせいかゾウもきりんもクマも暑さでぐだってた。俺そっくりの死んだ目だ。
動かねーからちっとも面白くねーが瑞麗ははしゃいでた。
表情は変わらなくても目がきらきら輝いてっからすぐわかる。
柵に掴まって目一杯背伸びして、食い入るように動物を見つめていた。
一番見たかったパンダがいねーのだきゃご不満だったみてーだが……
気まぐれにパンダのぬいぐるみを買ってやったら「叔叔、謝謝」とぎゅーっと抱きついてきた。
ひっつかれるとあつっくるしくてまいっちまった。
〇月×日
きょうは叔叔とまたたび動物園へいった。
動物さんたくさんいた。ぞうさん、きりんさん、くまさん、みんなおっきい。るいりとどっちが強い?
でも熊猫いなくてしょんぼり。
るいりのおうちでは虎を飼ってる。泥棒がぶがぶする。そう言ったら驚いてた。
お土産屋さんに熊猫のぬいぐるみがあった。
じーっと見てたら叔叔がひょいとつまみあげて「欲しいか?」と聞いた。
るいりが頷いたら「…そっか」と投げてよこした。
名前は好好(はおはお)。大事にする。
謝謝、叔叔。
だいすき。