「今日も暑いな……」
滅多にでない独り言をもらしてしまうほどには蒸し暑い晩だった。
珍しく仕事が早く上がった。
飲みに行かないかという同僚の誘いをやんわり断り、自宅に直帰してまずシャワーを浴びた。
アパートに帰るのは3日ぶりだ。
日頃残業続きで帰宅が不定期なせいか、就職からこちら何年も住んでいる部屋に愛着を持てない。
どうにもただ寝に帰るだけの場所という印象が強い。
独身用のコンパクトな冷蔵庫の扉を開け、外国銘柄のビールをとりだす。
濡れそぼる前髪から滴る雫を首に掛けたタオルで拭い、片手でプルトップを引く。
お前は酔わないから面白くない、と言ったのは誰だったか。
こめかみから頬にかけて伝う雫をタオルで拭き取り、仰向いてビールを嚥下。
喉仏が上下する動きに合わせ、ぬるいビールが喉を滑り胃にしみていく。
冷蔵庫の買い替え時かもしれない。
PL
ワジマ絵師さま、雰囲気のある素敵なポトレをありがとうございました。
無表情な目がPCの素顔を表しててドキッとしました。