遠い遠い過去の断片を見る。
檻の中に独りの私。
唯一私に優しかった人。
この人はあの人じゃない。
よく似ているけれど、違う人。
分かっているのに、縋らずにはいられなかった。
願いはかなわないと、分かっているのに。
「新しいお母さんもお父さんも要らない…。
貴方と居られるならそれでいい…。
ずっとずっとここにいる…。
貴方の居ない場所なんて行きたくない…!」
檻の向こうの人は苦しそうな顔で私を見ている。
あの人によく、似ている顔で。
過去に縛られ続けていても、良い未来は得られない。
苦しみばかりが増していく。
分かっているのに、抜け出せない。
涙が、止まらない…。
PL
過去と現在の交差。
消えることのない過去。
涙を浮かべる幼少の冴来と
苦し気なジニーさんの表情が素敵です…!
毒でんぱ様、ありがとうございます!
いつだって天秤は残酷だ
喪失を喪失で贖おうとするのは過ちか?
欠落を欠落で埋め合わせようとするのは欺瞞か?
過ちの代償(ツケ)を献身で払おうとするのは偽善を塗した利己でしかないのか?
この関係は傷の舐めあいに似た一時しのぎの共依存
お互いの上に過去の断片を見ているだけ
頭ではわかっている、理解している、自覚もある
それなのにやめられない
俺とこいつは違う、それぞれに完結した別々の人間だ、なのに
本当は知っている、俺はガキの頃の俺を救いたいだけだ
傷つき絶望したガキをほっとけないのはかつて自分がそうだったから、それだけだ
自慰のような正義感 まったく反吐がでる
本当に幸せを願うのなら突き放すのが最善だ
誰かに縋らず依存せず一人で生きていけるようにするために 独りであることを教えるんだ
わかっているのにどうして此処から離れられないんだ?
PL
毒でんぱ絵師さま、ダークでシリアス、それでいて過去と現在が交錯する素敵なポトレありがとうございます!微妙な距離感が愛情でも憐憫でもない双方の関係性を表してるようでツボです。鳥籠の中から潤んだ目で仰ぐ冴来さんと、それを見つめる劉の痛みを秘めた表情がとてもいいです……