>灯君
はい。暗くもなってきておりますので、灯君もお気をつけてー。
テストもありますし、ね。ふっふ。
また明日、学校で。
(遠ざかっていく灯君の背中を見ながら、
取るに足らないなんて事はないと思うのにな、と思いながら)
……散歩かー。
うん。それじゃ、私達も、ちょっとだけ遠回りしながら帰りましょうかね、猫さん。
(と猫さんを撫でてゆっくりと立ち上がった)
(懐から取り出した仮面を着け)さて、今日もゴミ掃除がんばるぞ…っと。(そう言ってその場を後にする)
…ありがとう、そう言ってくれて。それだけでもう少しやる気が湧いてきたよ。
(擦り寄ってきた猫の頭を撫でて)お前も、ありがとな。
んじゃ、僕は散歩の続きがあるんで。また明日。(そう言って五月に背を向け)
>桃原さん
フフフ……旧市街絶景スポットの一つ、寝子島神社の絶景スポットですー!
(と、眼鏡をキラーン!と光らせ)
ここから眺めておりますとたまに、
猫さん達が揃ってどこかへ帰って行く姿が見えれる時もあるんですよー。
日が高い内もええんですけれど、こうやって夕焼けに染まる時間になりますとまた一味違って見えて。
この橙色に染まる景色が、とても、とても大好きですー。ふっふ。
(隣に座る猫さんも桃原さんの言葉に同意するように
『にゃー』と、どこか嬉しそうな声で鳴いては尻尾を揺らし)
はいー。本当にこの島は、あたたたかくて、楽しくて。良い所ですよねー。ふっふ。
島もここにいる人達も、猫さん達も。皆様がとてもあたたかいからでしょうかー。
毎日がとても、とても楽しくて、幸せですー。
こうやって桃原さんとお話出来るのもとても、とても嬉しいですー。
(本当に今日はええ日ですねーと嬉しそうにほんわり笑って頷いて)
>灯君
おお。散歩!(ぽん!と両手を合わせて)
ふっふ。散歩はええですよねー。のんびりと景色を見ながら、胸いっぱいに空気を吸って歩くんはとても気持ちいいと思いますー。
ふっふ。分かりますー。ひとつの灯りにひとつの家族があって、ご飯を食べていたりテレビを見たり、テスト勉強していたり。
きっとそんなあたたかな光なんだろうなって思えて、とても綺麗で素敵ですよねー。
(と、ふとどこか寂しげに笑う灯君を見て)
……落ちている。
落ちているゴミを拾う事は誰にでも出来ますけれど、でもそれを誰もがやるというわけでもなくて。
それを見て見ぬふりも出来ますし、素知らぬ顔で通り過ぎてしまう事も出来ますー。
(ほんの少し橙色からゆっくりと変化していく空を見上げて)
ですので!(ぴん、と人差し指を立てて)
ゴミを拾ってゴミ箱に入れて下さる、そんな方のクラスメイトでいられる事が、私はとても嬉しいし幸せですー。
(「私も灯君に負けないように頑張らねばあかんですね」と力強くそう言いながら微笑み)
ねー、猫さん。
(と猫さんに声を掛ければ、同意するように『にゃー』と鳴いて灯君の足にすり寄った)
>光村さん
(声に気がついてひょいと顔をあげて)
おお、光村さん!ふっふ。こんばんはー。
コトラさんも、こんばんはー。お2人はランニング中でしょうかー?
(ほんわり笑ってそう言うと、隣の猫さんも『にゃー』と鳴いて尻尾を揺らし)
はい。ここからは旧市街のずっと遠くの方まで見えて、とても……
(光村さんとコトラさんの言葉に嬉しそうに頷いて、町の方を向いて)
とても、とても、綺麗ですよねー。ふっふ。
私、ここから見える町がとても、とても大好きなんですー。
……おお、そう言えば(ぽん、と両手を合わせて)
ここから光村さんとコトラさんのお家、見えますかねー。
(散歩中に通りがかり)
おおー!こんな所に絶景スポットがあったんだ…!感動…!
ふっふふー、寝子島はネコさんもいっぱいで、景色も綺麗で、面白い人もいっぱいいて、
ほんとーにいい所だねぇー。
僕?ああ、僕は日課の見回り…もとい散歩を早めにね。中間テスト中だから早めに寝ときたくて。
(猫に挨拶され)…おす。
僕はもう少し日が沈んでからの景色が好きだな。街にぽつ、ぽつ、ぽつって明かりが灯るのを見てると、なんか嬉しくなる。その明かりの中でいろんな人が”ふつう”に暮らしてるのがわかるから。
…(そのまま街を見下ろして)例えばさ。そこに転がってるゴミを、拾ってゴミ箱に入れるだろ?そうすれば、街はゴミ一個分綺麗になるだろ?面倒くさがりの僕にだって、そのくらいのことはできる。ただの自己満足かもしれないけど、そのくらいのことでもやっておけば、こんな取るに足らない僕でも”ふつう”に幸せを感じても許されるような気がするんだ(そう言って優しく、しかし少し寂し気な笑みを浮かべる)。
えっほ えっほ(ランニング中、ふと気付いて顔をあげ、視線をおって風景をみて)
あれ・・・薄野さん?何して・・・
ここから見える旧市街・・・きれいだよね(にゃーとコトラも同意するように)
>常盤さん
ふっふ。綺麗ですよねー。
(常盤さんの言葉に楽しそうに頷きながら)
夕暮れのこの商店街や神社の雰囲気は、ずっと見ていても飽きないくらい大好きですー。
皆が長くなった影を連れて家に帰って行くのもええですよね。
(ほんわり笑ってそう言うと、隣の猫さんが尻尾を揺らしながら『にゃー』と鳴き)
>灯君
……わっ!?
(ぼんやりと商店街を眺めていたら、ふっと聞こえてき声に驚いて振り返って)
おお、灯君でしたかーふっふ。こんばんはー。
(そう言うと、隣の猫さんも挨拶するように『にゃー』と鳴き)
ああ、いえ、その……ちょっと商店街を眺めておりまして。
夕焼けに染まるこの時間帯の商店街が、私、たまらなく大好きなんですー。
灯君は神社にお参りか何かで?
◇なかのひとより◇
見た瞬間に時間が止まりました…!わああ…!
夕焼けに染まった商店街や木々、人や猫さん、夜に向かう空、
何もかもが綺麗で素敵で、そしてあたたかな夕焼けに染まる世界。
雰囲気がたまらなく大好きです。Tシャツも可愛い…!
たちあ絵師様、素晴らしいイラストをありがとうございます!大切にさせて頂きますっ
遠くに聞こえる「またね」や「さよなら」「それじゃあね」の声を聞きながら、橙色に染まる町を眺める。
――――たまに。
たまに、時間が止まったら良いなと思う事がある。
でも止まったらもったいないよねとも思う。
「ねぇ猫さん。私も高校生ですよ。どうしましょうか」
隣に座る猫さんから返ってくる「にゃー」の言葉を自分勝手に解釈しながら
風に吹かれて揺れる毛並みをそっと撫でては語りかける。
「そうですねー。なるようになりますよねー」
「にゃー」
「そう言えば、猫さんはどちらにお住まいで?」
「にゃー」
「そうですかー。そろそろ日も暮れますし、良かったらうちでご飯、食べていきませんか?」
「にゃー」
商店街から漂ってくる美味しそうな匂いに誘われて、大きな影と小さな影は伸びていく。
神様、今日も一日ありがとうございました。
学校は楽しくて、お友達も出来て、夕焼けは綺麗で。
とても、とても、良い日でした。
「それじゃあ、もうちょっと眺めたら帰りましょうかー」
「にゃー」
明日もどうか良い日でありますように。
(ふらっといきなり背後に立つ)…薄野、何、してんの?
わーキレイだねぇ。
暮れなずむ空と神社の参道の長閑さがマッチしてるね。