空は澄み渡り、小鳥は歌う。
暖かな日差しのもと、花は咲き誇り
柔らかな風が頬を撫ぜる。
けれどそれを分かち合う
誰かがそこにいないなら
その全てに価値は無く
自分自身のかたちすら
曖昧なものになっていく。
私は誰で、此処はどこ。
何処から来て何処へいくのだろう。
此処から何処へ行きたいのだろう。
(自分が一体何かなんて、この世界の誰よりも
自分自身が一番に理解している筈なのに
それを別の誰かの温度に触れて
確かめたいと望む心こそが
「寂しい」という感情の根源なのかもしれなかった)
(誰に認められなくたって
誰に許されなくたって
私は今此処に居て
確かに鼓動を刻んでいる。
それら全てに意味はなく
無価値な事実だとしても
私は確かに存在している)