(PLより)
何かこう、全方位に向けてすみませんでした!
イラストのシーンの一幕みたいを書こうとして、
一度書いたのが明らかに画像向きじゃなぁとやめていたのですが小説版という手があったかという事で載せてみました。
去年のエイプリル企画に乗れず残念だったので、今回はって思っていたら内容が内容だったので思わず七夜さんに共演お願いしました。1日でアクション書くの凄く…大変です……
発注文でアクションを書くというのはとても新鮮で楽しかったです。
そして素敵なイラストをありがとうございます。あのアクションがどうリアクションとして返ってくるのか…!とイラストを見る瞬間が一番ドキドキしたと思います。
炎絵師さまの素敵な企画に感謝します。
<【劇場版】らっかみ! 小説版より>
泣きながらも、少しずつ紡がれるあおいの言葉で彰尋は彼女に…いや、ののこに起きた出来事を理解した。
けれども今の情報ではなぜそうなったのか、どうすれば良いかの見通しが難しい。
おそらくは、目の前の彼女もそう。
貸したハンカチへと伝う涙と、すがるように制服を捕まえる右手。
握りしめる弱々しい力に、彰尋は思わず肩を右手で支えようとして、思いとどまる。
―何を考えてんだ、俺は。
自分がとろうとした行動を恥じるように、伸ばした右手を握りしめる。
そして一つ深呼吸をしてから、あおいに話しかけた。
「あおいさん……大丈夫、野々さんは元に戻るよ。だから、探しに行こう」
その原因を、という言葉は少しかすれていたかもしれない。
今回の件も神魂か、あるいは怪奇によるものなのだろう。
それであれば元に戻せる…彰尋はそう思った。そう思いたかったが、正しいかもしれない。
止まない雨がないように、きっと、と。
けれども。
見上げた空から降り注ぐ雨は、
そんな期待を裏切るかのように周囲に静寂と雨音を強く響かせていた。