不思議で不可思議で可笑しなフツウが普通の世界。
ここはそう、まさしくワンダーランド!
不可思議溢れるナニカの森で
少女の姿をした猫が鈴の声を転がせる。
「こんにちは、こんばんは、それともおはようございます?
フツウの世界へようこそお客様<アリス>!
あなたは何処に行くの?何処に行きたいの?何処を目指すの?
何処へなりと足が向くままお行きなさい?
そうすれば何処かへは辿り着くわ!」
謎かけする様に語りかけ、猫は楽しげに笑ってみせる。
「一人旅は不安かしら。寂しいかしら。
もしもアナタが望むなら、私が一緒に旅してあげる。
世界を案内してあげる。
知っているコト、見てきたモノ、全部アナタに教えてあげる。
だって私、アナタがとっても大好きですもの!」
瞳に宿るは悪戯な光。
さあ、さてはて、一体全体この猫を
何処まで信用してよいものか?
それはアリスが決めるコト。
YESとアリスが頷くならば
猫は歓び手を取るだろう。
NOとアリスが首を振るなら
それもまた良しと猫は微笑むだろう。
「嗚呼、私のアリス、私達のアリス、愛しいアリス!
アナタの行く道に喜劇よ在れ、悲劇よ在れ、喝采よ在れ!
幾千幾万の祝福よ在れ!
あなたの旅路が善きもので在らん事を!」