(視線の気配が心地悪かったのだろう、迷子の視線は確かに双方相手を捉えたのに僅かな間に険が差したのを見てとると眉を下げて、ほろりと口元を緩め)
…こんにちは。不躾な視線を向けて申し訳ない。
僕は弥逢 遊琳(わたらい ゆうり)。寝子高の2年生、…もうすぐ3年生だけれど。
京都に残してきた僕の妹に雰囲気が似ていて、一瞬彼女が此処へ来ているのかと思ってしまったんだ。
(相手を指差すことはせず、自分が羽織っているわけではない着物を、敢えて自分の肩を指で叩いてみせることで示し)
染物が好きな子でね。君と同じ様に艶やかなお着物を羽織って外へ出たりする子なんだよ。
……(視線を感じて、いぶかしげにきょろきょろと)
、なに……?
(どうして見られていたんだろうと、不安に思う。けれど意図せず視線は鋭くなってしまって)
……、(この紐を結べたら、きっと全部、ちゃんと、わかるのに。)
(思わず足を止め)
いr……違う、か。
しかしよく似ているものだな…。
(よく知る誰かと見間違えたのか少し目を擦り)