夕焼けの空に、ガタン、ゴトン、と寝子電の走る音が響く。
その音を、一人と一匹が、駅のベンチに座りながら聞いていた。
ガタン、ゴトン。
ガタン、ゴトン。
音はだんだんと遠ざかって行く。
それに合わせるように、一人と一匹の影もまた、寝子電が走って行く方向へ、ゆっくり、ゆっくりと伸びていく。
響くのは寝子電の音だけだ。
一人と一匹の間に会話はない。
ただ、時折り顔を上げては、お互いの顔を見るだけだ。
一人と一匹の間に会話はない。
ただ、カリカリとチョコレートを、お互いにカリカリもぐもぐ食べるだけだ。
一人と一匹の間に会話はない。
ただ、それで、十分だった。
〇PLより
わー! わー! とても、とても綺麗です……! ふわー!
夕焼けに染まる風景に、だんだんと伸びていく影。
カリカリを食べる猫さんと、それを見つめる五月の眼差しの優しさに、
ふわっとあたたかな気持ちになりました。
窓に映る夕焼けの街並みを見ていると、遠くから寝子電の音が聞こえてきそうです……!
夕暮れ時の、静かでどこか懐かしさを感じるこの雰囲気がたまらなく大好きです。
たちあ様、いつもいつもとても素敵であたたかなイラストをありがとうございます!
大切にさせて頂きます!